第21話 アレシアとの逢瀬

文字数 2,274文字

 扉の前でアレシアの姿を確認すると俺は彼女に訊ねた。


「どうしたんだ?」

「ごめんなさい。ラドリックに相談したい事があったのだけど、もう寝てしまったかしら?」

「いや、まだ起きてるから入っていいよ」

「ありがとう」


 そう言って彼女は、俺の部屋に入って来たのである。

 すると、俺の目の前まで近付いてきて、上目遣いで見つめてきた。


「ねぇ、ラドリック。相談があると言ったでしょう?」

「あぁ……」

「あのね……私を抱いて欲しいの……」


 モジモジしながら、そう言った彼女の頬は恥ずかしさで赤く染まっていた。


「えっ!?」


 突然の言葉に驚き戸惑っていると、彼女はさらに言葉を続けた。


「お願い……。私の初恋の人はラドリックだったのよ。だから、一度だけ抱いてちょうだい」

「いや、しかし……」

「お願い!」


 そう言って彼女は、俺に抱き着いてきて唇を重ねてきた。

 しばらくして、彼女の唇が離れると唾液の糸を引いていたのであった。


「ラドリック……。お願い……」

「……分かったよ。でも、後悔はするなよ」

「えぇ、もちろんよ」


 こうして、俺は彼女を優しく抱きしめて口付けをして服を脱がしていった。

 そして、裸になった彼女を見て綺麗だと思ったのである。胸は、そんなに大きくないが綺麗な形をしていてスタイルは良い。


「そんなに見ないで……。恥ずかしいわ……」

「ごめん……。あまりにも綺麗だから……」

「フフッ……。ありがとう。嬉しいわ」

「こうゆう事は初めてなのか?」

「初めてではないけど……。でも、好きな人とするのは初めてよ」

「そうなのか? 恋人とかはいなかったのか?」

「いないわ。ずっと、独り身よ」

「そうなんだな。でも、今は俺がいるから寂しくないよな?」

「うん。ありがとう」


 アレシアは笑顔で答えてくれた。その表情を見て、俺も嬉しくなった。


「そろそろ、始めようか?」

「えぇ……」


 俺は彼女に覆い被さり、そのままゆっくりと体を重ねて愛撫を始めた。

 最初は緊張していた彼女も次第に慣れていき、甘い声を出し始めたのである。


「んっ……あん……」

「気持ち良くなってきたかい?」

「う、うん……。もっとして……」

「あぁ……」


 そして、俺は舌を使って彼女の乳首を舐めた。

 すると、彼女は体をビクつかせながら感じていたのである。


「あっ! そこ、凄く感じるの……。あぁ……。気持ちいい……」


 俺はそのまま下へと移動していき、彼女の陰部に触れるとそこは濡れていて、指を入れると中はとても熱かった。


「あああ!」

「大丈夫か?」

「だ、大丈夫よ……。続けて……」

「あぁ……」


 そして、しばらく続けていると彼女が絶頂を迎えようとしていたのである。


「だ、だめ!イッちゃいそうだわ……。あぁ、イク~!!」


 アレシアは全身を痙攣させて果てたのであった。


「はぁ、はぁ……」

「良かったか?」

「えぇ……。とても気持ちよかったわ……」

「そうか……」


 俺は彼女の頭を優しく撫でた。

 すると、アレシアは幸せそうな表情をしていたのである。

 そして、俺は彼女にキスをした。

 それから、俺達はお互いを求め合い、何度も肌を重ねたのであった。

 やがて疲れたのか、アレシアは眠りについたのである。

 まさか、こんな事になるなんてな……。俺は複雑な思いで、隣で眠っているアレシアを見つめた。

 すると、アレシアが目を覚まして俺の顔を見たのだ。

 彼女は俺に微笑みかけてきた。

 俺は照れくさくなり、思わず視線を外す。

 すると、彼女は俺の手を握ってきた。

 俺はチラッと見ると、彼女は優しい眼差しで俺の事を見つめていたのである。

 俺はアレシアが可愛くて、つい彼女の唇を奪ってしまった。

 アレシアもそれに応えるように、しばらく濃厚な口づけを交わしたのである。

 ようやく離すと、アレシアは顔を真っ赤にして恥ずかしがっていた。

 その姿がまた可愛いと思った。

 そんな事を思っていると、彼女は俺に抱き着いてきて胸に顔を埋めてきたのである。

 俺は彼女の髪をそっと撫でると、彼女は甘えるような声で言ってきた。

 まるで子猫みたいに、俺にすり寄ってきている。

 俺は彼女の事がますます愛おしくなっていった。

 このまま時間が止まればいいのに……。

 そう思っていたのだが、さすがに朝まで居るわけにはいかないと思い、名残惜しいが自分の部屋に戻ってもらったのである。


 ラドリックとアレシアが逢瀬を楽しんでいた頃、ランシーヌ達は寝室で話し合っていた。


「どうも、あの兄妹は魔女の配下の様な気がするわ……」


 ランシーヌは、クレム達を見てそう思ったのである。


「私もそう思う。兄妹が何かを隠している気がする……」

「まぁ、それは今後分かる事だから、今は気にしないでおきましょう。それと、向こうも私達の正体を知っている訳ではないし……」

「分かった……」


 こうして、3人はベッドに入り眠ったのだった。


 翌朝、朝食を食べ終えた後、クレムは仕事に出かけて行ったがアレシアは家に残ったので、俺と2人で話をしながら過ごしていた。

 ちなみに、ランシーヌと双子達は用事があると言って外に行ってしまったのである。


「ラドリック。今日は何をするの?」

「特に決めていないよ。街に行って散策でもしようかなと思っている」

「そう……。私も一緒に行っていいかしら?」

「もちろんだよ」

「ありがとう」


 そう言って、俺とアレシアは準備をして外に出ようとした時、扉がノックされたのであった。

 コン、コン、コーン!!


「誰かしら? はーい!」


 アレシアは返事をすると、扉が開かれてそこから中性的な雰囲気を持つ20代後半ぐらいの背の高い女性が現れたのである。
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