第８２話 攻撃魔法が効かない怪物と魔女達
文字数 3,209文字
胴体に穴が開いた状態で、カサンドラは歯を食い縛り苦痛に耐えながら体勢を整えた。
彼女の傷口から向こうの景色が見えていたのだ。傷から流れ出る血が彼女の白い肌を一層際立たせたのである。しかも、彼女は全裸であった。
そんな様子を目の当たりにしてカタリーナは狂気に満ちた笑みを浮かべていたのである。
「あはっ！ あははっ！！ ざまぁないね！」
そして、彼女は勝ち誇った表情で言ったのである。
「あははっ！ もう終わりかな～？」
「これくらいで私がやられると思っているの……」
「あははっ！ 強がり言っちゃって～！」
カサンドラは苦痛に顔を歪めながら3人の配下達に命じたのである。
「サロメを連れて、この場から避難しなさい！ 私達の戦いに巻き込まれたら死ぬわよ！」
その言葉に3人は頷いて、倒れているサロメに肩を貸してその場から立ち去ろうとしたのである。
「ご無事を願っています！！」
そう言って3人はその場から避難しようとしたのであった。だが、カタリーナはそんな彼女達の動きを見逃さず、怪物を操って３人に向けて怪光線を放ったのである。
「ぎゃははっ！！ 逃がさないよ～っ！！」
だが、その瞬間に３人を守るように、カサンドラが間に入ったのだ。そして、彼女は怪光線を胸に受けてその場に倒れ込んでしまったのである。
「あぅっ！！」
彼女の胸から鮮血が流れ出て地面を赤く染めていった。その様子を目の当たりにした3人は狼狽えていたのだ。
「早く！ 行って！！」
そんなカサンドラの必死な思いが3人に伝わっていた。だが、カタリーナは歪んだ笑みを浮かべて彼女達に言い放ったのである。
「もう！！ 逃げちゃうじゃない！！」
彼女達はカサンドラの思いを汲んで頷き、倒れているサロメを連れてその場から立ち去って行った。
配下達が避難したのを見てカサンドラは言い放った。
「私が相手よ！ カタリーナ！！」
「あははっ！ そんなボロボロなのに戦うの～？」
カタリーナは高笑いしながら、怪物の触手をカサンドラに叩き付けてきたのである。その攻撃を彼女は避ける事ができず直撃してしまったのだ。
彼女の体が触手によって吹き飛ばされ、そのまま地面に叩き付けられたのである。
「あぅっ！！」
地面に叩き付けられた彼女は口から血を吐き出しながら悶絶していた。そんな様子を見下ろしてカタリーナは狂気に満ちた笑みを浮かべていたのだった。
「ぎゃははっ！ もう死んじゃいな！！」
そして、怪物の触手をカサンドラに向けて振り下ろしたのである。だが、その触手が振り下ろされる瞬間、カサンドラは瞬時に体勢を整えて避けていた。
触手の攻撃を避けると同時に呪文の詠唱を始めたのだった。
「全てを焼き払う火球よ！ 敵を焼き払え！！」
次の瞬間、カサンドラの手から放たれた火球が怪物に命中したのである。その炎は怪物の体を燃やし尽くす筈だったが、火球が当たる直前に魔法の効果が消滅していたのである。
「あはっ！ あははっ！！ この化け物に魔法は効かないよぉ～！」
そう言ってカタリーナはカサンドラに触手を振り下ろしたのである。彼女はそれを避けながら再び詠唱を始めたのだった。
「天からの裁きを！ 雷よ敵に降り注げ！！」
カサンドラは雷の魔法を放ったのである。その魔法を受けても怪物は無傷でいたのだ。どうやら、当たる直前に無効化してしまうのである。
「あははっ！ もう諦めたら？」
彼女は怪物が魔法の効果を打ち消せる事に薄々気付いていた。そして、カタリーナは再び怪光線を放ち彼女を攻撃していたのである。
「あぅっ！」
カサンドラは左肩を撃ち抜かれて地面に倒れ込んでしまった。しかし、胴体や胸の傷は塞がりつつあった。そんな様子を見ながらカタリーナは言ったのだ。
「あははっ！ もう終わりかな？」
カタリーナのその言葉に対して、彼女は苦痛に顔を歪めながらも睨んでいたのである。
「あははっ！ もう死んじゃいなよ～？」
そんな彼女の言葉に対して、カサンドラは苦痛に顔を歪めながらも笑みを浮かべていたのだ。そして、彼女は地面に倒れ込みながらも呪文を唱え始めたのである。
「天界の槍よ！ 我が命に応じて、現世に顕現せよ！」
彼女が呪文を唱えると、右手に光り輝く銀色をした厳かな槍が出現したのである。カサンドラは槍を構えると怪物の目に向けて投げたのだ。
「ウゴォォォォ――！」
怪物の目に槍が突き刺さり苦痛の呻き声を上げた。カタリーナは怪物が苦しんでいる様子にも歓喜の表情を浮かべていた。
「ぎゃははっ！！ ぎゃはははっ！！ 目を潰されちゃった～！」
「化け物の目を潰せば光線を撃ちだすことは出来なくなるわ！ 加えて、魔法無効の効果も無くなった筈よ！」
「あはっ！ あははっ！！ こいつは使い物にならなくなったね～！」
カタリーナは狂ったように笑いながら怪物から分離し地面に降り立った。すると、化け物は姿が消滅していったのだ。
そして、彼女は狂気の笑みを浮かべながら言ったのである。
「あははっ！ どっちが最後に生き残っているかな～？」
カタリーナは勝ち誇った表情でカサンドラを見て嘲笑っていたのだ。だが、そんな様子を見てカサンドラも笑みを浮かべていた。その笑みに違和感を感じたカタリーナは眉を顰めていたのだ。
「あはっ！ あははっ！！ 何が可笑しいかなぁ～？」
「私が負けると思っているの？」
カタリーナはカサンドラの言葉を聞いて苛立ちを見せていた。一方、カサンドラは冷笑を浮かべていたのである。
「あははっ！ 往生際が悪いんだね～！」
「貴女にはもう配下がいないという事は守護者もいない……。だから、不死身の能力が弱まっている筈よ……」
彼女はカサンドラの言葉を聞いて苛立っていた。
「あははっ！！ だから、それが何だっていうのかな～？」
「不死身の能力が無くなれば貴女に勝ち目はない！」
「あはっ！ あははっ！！ そんなのやってみなきゃ分からないじゃん！！」
カタリーナはそう叫んでカサンドラに向けて呪文を放ったのである。
「闇の矢よ！ 敵に刺さり毒となれ！ 死ねぇぇぇ―――っ！！」
無数の闇色の魔力の矢がカサンドラの頭上に向けて降り注いでいた。
カサンドラはその攻撃に対して、避ける事もせずに仁王立ちのままであった。
「あはっ！ あははっ！！ もう諦めたのかな～？」
カタリーナは笑みを浮かべていた。そして、彼女は闇の矢がカサンドラに降り注いで行く様子を見ていたのである。
彼女の最後を見届けていたのだが、無数の闇の矢は彼女に刺さる直前に魔法の効力が無くなっていたのだ。
「あはっ！？ どうして、矢が刺さらないの～っ！！」
カタリーナは愕然としながら彼女に視線を向けたのである。すると、彼女は笑みを浮かべているだけで何も答えようとしなかったのである。
カタリーナはその笑みを見て何かを察したのだった。
「まさか……。私の魔法を防御しちゃったの？」
「今度は私の番よ！」
カタリーナは彼女の言葉に対して動揺していた。そして、彼女は反撃の呪文を唱えたのだ。
「聖なる矢よ！ 敵に降り注ぎ浄化せよ！」
カサンドラは無数の銀色の魔力の矢をカタリーナに放ったのである。しかし、銀色の矢がカタリーナを襲う直前に魔法無効の能力によって消滅していたのだった。
「あはっ！ あははっ！！ 効かないねぇ～！ 無駄だよ～」
カタリーナは笑いながら、カサンドラが次の攻撃を仕掛けてくるのを待ち構えていたのである。しかし、彼女は何も攻撃してこなかったのである。
「あははっ！ どうしたの～？」
「普通に魔法で攻撃しても無駄だと分かったわ……」
「あはっ！ あははっ！！ 魔法が効かないんだよ～？」
カタリーナは笑みを浮かべてカサンドラを見下していた。しかし、彼女は不敵に微笑んでいたのだった。そして、彼女は銀色の剣を出現させてカタリーナに向けたのである。
それを見て彼女は目を丸くして驚いていたのだ。
彼女の傷口から向こうの景色が見えていたのだ。傷から流れ出る血が彼女の白い肌を一層際立たせたのである。しかも、彼女は全裸であった。
そんな様子を目の当たりにしてカタリーナは狂気に満ちた笑みを浮かべていたのである。
「あはっ！ あははっ！！ ざまぁないね！」
そして、彼女は勝ち誇った表情で言ったのである。
「あははっ！ もう終わりかな～？」
「これくらいで私がやられると思っているの……」
「あははっ！ 強がり言っちゃって～！」
カサンドラは苦痛に顔を歪めながら3人の配下達に命じたのである。
「サロメを連れて、この場から避難しなさい！ 私達の戦いに巻き込まれたら死ぬわよ！」
その言葉に3人は頷いて、倒れているサロメに肩を貸してその場から立ち去ろうとしたのである。
「ご無事を願っています！！」
そう言って3人はその場から避難しようとしたのであった。だが、カタリーナはそんな彼女達の動きを見逃さず、怪物を操って３人に向けて怪光線を放ったのである。
「ぎゃははっ！！ 逃がさないよ～っ！！」
だが、その瞬間に３人を守るように、カサンドラが間に入ったのだ。そして、彼女は怪光線を胸に受けてその場に倒れ込んでしまったのである。
「あぅっ！！」
彼女の胸から鮮血が流れ出て地面を赤く染めていった。その様子を目の当たりにした3人は狼狽えていたのだ。
「早く！ 行って！！」
そんなカサンドラの必死な思いが3人に伝わっていた。だが、カタリーナは歪んだ笑みを浮かべて彼女達に言い放ったのである。
「もう！！ 逃げちゃうじゃない！！」
彼女達はカサンドラの思いを汲んで頷き、倒れているサロメを連れてその場から立ち去って行った。
配下達が避難したのを見てカサンドラは言い放った。
「私が相手よ！ カタリーナ！！」
「あははっ！ そんなボロボロなのに戦うの～？」
カタリーナは高笑いしながら、怪物の触手をカサンドラに叩き付けてきたのである。その攻撃を彼女は避ける事ができず直撃してしまったのだ。
彼女の体が触手によって吹き飛ばされ、そのまま地面に叩き付けられたのである。
「あぅっ！！」
地面に叩き付けられた彼女は口から血を吐き出しながら悶絶していた。そんな様子を見下ろしてカタリーナは狂気に満ちた笑みを浮かべていたのだった。
「ぎゃははっ！ もう死んじゃいな！！」
そして、怪物の触手をカサンドラに向けて振り下ろしたのである。だが、その触手が振り下ろされる瞬間、カサンドラは瞬時に体勢を整えて避けていた。
触手の攻撃を避けると同時に呪文の詠唱を始めたのだった。
「全てを焼き払う火球よ！ 敵を焼き払え！！」
次の瞬間、カサンドラの手から放たれた火球が怪物に命中したのである。その炎は怪物の体を燃やし尽くす筈だったが、火球が当たる直前に魔法の効果が消滅していたのである。
「あはっ！ あははっ！！ この化け物に魔法は効かないよぉ～！」
そう言ってカタリーナはカサンドラに触手を振り下ろしたのである。彼女はそれを避けながら再び詠唱を始めたのだった。
「天からの裁きを！ 雷よ敵に降り注げ！！」
カサンドラは雷の魔法を放ったのである。その魔法を受けても怪物は無傷でいたのだ。どうやら、当たる直前に無効化してしまうのである。
「あははっ！ もう諦めたら？」
彼女は怪物が魔法の効果を打ち消せる事に薄々気付いていた。そして、カタリーナは再び怪光線を放ち彼女を攻撃していたのである。
「あぅっ！」
カサンドラは左肩を撃ち抜かれて地面に倒れ込んでしまった。しかし、胴体や胸の傷は塞がりつつあった。そんな様子を見ながらカタリーナは言ったのだ。
「あははっ！ もう終わりかな？」
カタリーナのその言葉に対して、彼女は苦痛に顔を歪めながらも睨んでいたのである。
「あははっ！ もう死んじゃいなよ～？」
そんな彼女の言葉に対して、カサンドラは苦痛に顔を歪めながらも笑みを浮かべていたのだ。そして、彼女は地面に倒れ込みながらも呪文を唱え始めたのである。
「天界の槍よ！ 我が命に応じて、現世に顕現せよ！」
彼女が呪文を唱えると、右手に光り輝く銀色をした厳かな槍が出現したのである。カサンドラは槍を構えると怪物の目に向けて投げたのだ。
「ウゴォォォォ――！」
怪物の目に槍が突き刺さり苦痛の呻き声を上げた。カタリーナは怪物が苦しんでいる様子にも歓喜の表情を浮かべていた。
「ぎゃははっ！！ ぎゃはははっ！！ 目を潰されちゃった～！」
「化け物の目を潰せば光線を撃ちだすことは出来なくなるわ！ 加えて、魔法無効の効果も無くなった筈よ！」
「あはっ！ あははっ！！ こいつは使い物にならなくなったね～！」
カタリーナは狂ったように笑いながら怪物から分離し地面に降り立った。すると、化け物は姿が消滅していったのだ。
そして、彼女は狂気の笑みを浮かべながら言ったのである。
「あははっ！ どっちが最後に生き残っているかな～？」
カタリーナは勝ち誇った表情でカサンドラを見て嘲笑っていたのだ。だが、そんな様子を見てカサンドラも笑みを浮かべていた。その笑みに違和感を感じたカタリーナは眉を顰めていたのだ。
「あはっ！ あははっ！！ 何が可笑しいかなぁ～？」
「私が負けると思っているの？」
カタリーナはカサンドラの言葉を聞いて苛立ちを見せていた。一方、カサンドラは冷笑を浮かべていたのである。
「あははっ！ 往生際が悪いんだね～！」
「貴女にはもう配下がいないという事は守護者もいない……。だから、不死身の能力が弱まっている筈よ……」
彼女はカサンドラの言葉を聞いて苛立っていた。
「あははっ！！ だから、それが何だっていうのかな～？」
「不死身の能力が無くなれば貴女に勝ち目はない！」
「あはっ！ あははっ！！ そんなのやってみなきゃ分からないじゃん！！」
カタリーナはそう叫んでカサンドラに向けて呪文を放ったのである。
「闇の矢よ！ 敵に刺さり毒となれ！ 死ねぇぇぇ―――っ！！」
無数の闇色の魔力の矢がカサンドラの頭上に向けて降り注いでいた。
カサンドラはその攻撃に対して、避ける事もせずに仁王立ちのままであった。
「あはっ！ あははっ！！ もう諦めたのかな～？」
カタリーナは笑みを浮かべていた。そして、彼女は闇の矢がカサンドラに降り注いで行く様子を見ていたのである。
彼女の最後を見届けていたのだが、無数の闇の矢は彼女に刺さる直前に魔法の効力が無くなっていたのだ。
「あはっ！？ どうして、矢が刺さらないの～っ！！」
カタリーナは愕然としながら彼女に視線を向けたのである。すると、彼女は笑みを浮かべているだけで何も答えようとしなかったのである。
カタリーナはその笑みを見て何かを察したのだった。
「まさか……。私の魔法を防御しちゃったの？」
「今度は私の番よ！」
カタリーナは彼女の言葉に対して動揺していた。そして、彼女は反撃の呪文を唱えたのだ。
「聖なる矢よ！ 敵に降り注ぎ浄化せよ！」
カサンドラは無数の銀色の魔力の矢をカタリーナに放ったのである。しかし、銀色の矢がカタリーナを襲う直前に魔法無効の能力によって消滅していたのだった。
「あはっ！ あははっ！！ 効かないねぇ～！ 無駄だよ～」
カタリーナは笑いながら、カサンドラが次の攻撃を仕掛けてくるのを待ち構えていたのである。しかし、彼女は何も攻撃してこなかったのである。
「あははっ！ どうしたの～？」
「普通に魔法で攻撃しても無駄だと分かったわ……」
「あはっ！ あははっ！！ 魔法が効かないんだよ～？」
カタリーナは笑みを浮かべてカサンドラを見下していた。しかし、彼女は不敵に微笑んでいたのだった。そして、彼女は銀色の剣を出現させてカタリーナに向けたのである。
それを見て彼女は目を丸くして驚いていたのだ。
