第40話 盗賊団の襲撃
文字数 2,795文字
その日の夜、俺達は、宿屋の食堂で夕食を食べていた。
「明日はこの村を出て出発するから、しっかり食べておけよ!」
俺が、そう言うと皆は頷き食事をしている。そんな中、給仕をしている女性が近付いてきて話し掛けてきたのだ。
「お客さん達……、今村で話題になっている事があるのですが……、聞きたいですか?」
俺は首を傾げていた。そんな俺を見て給仕の女性は話を始めたのだ。
「最近、この村の近くで盗賊団を見かけたらしいんですよ……」
「そうなのかい?」
俺が聞くと女性が頷いた。
「ええ……。それで、今日も街道で見かけたらしいんです……」
「そうなのか……。だけど、この村は平和そうだけどな……」
俺がそう言うと彼女は悲しそうにしていた。
「最近までは平和だったんですが……。いつ、襲われるか心配なんです……」
「成程……」
俺が頷くと、彼女は立ち去って行った。その後、食事を終えた俺達は部屋に戻り休む事にしたのだ。
部屋に戻ってから、俺は皆に盗賊団の話をしていた。
「この村の近くで盗賊団が目撃されているそうだ……」
「盗賊団か……。この辺も物騒なのね……」
「もし、出会っても返り討ちにするだけよ……」
ミラとニアがそう答えると、ランシーヌは真剣な表情で頷いていた。
「そうね……。もし、遭遇したら倒すだけね……」
「ああ、そうだな……」
俺はそう言うと、皆はそれぞれ自分のベッドに潜り込み眠りについたのだ。そして、夜が更けていったのである……。
翌日、俺達は宿屋を出た後、次の目的地に向けて出発した。
そして、暫く街道を進んでいると、遠くから馬車が近付いてくるのが見えた。
「もしかして、盗賊か……?」
俺は警戒しながら近付いて来る馬車を見て言った。
「そうかもね……。でも、襲って来なければ無視するだけよ……」
ミラが答えると皆が頷いた。
そして、俺達の近くに馬車は止まったのだ。
「どうしたんだ?」
馬車を操縦していた男性が、俺達に話し掛けてきた。風貌は30代ぐらいで髭を生やしている。
馬車は大型の幌馬車で外からは中が窺えなかったのである。
「俺はこの先の村に行こうと思っているんだが……、お前さん達は何処に向かうんだ?」
「俺達は、この先にある町に行こうと思っているんだが……」
そう答えると男は俺達の馬車の中をジロジロ見ていて、挙動がおかしかった。
「この馬車の中は……、誰かいるのか……?」
そう聞いてきたので俺は警戒心が強まり、いつでも戦える準備をしていた。
「ああ、この馬車の中には仲間がいる……」
「そうか……。お――い! 皆、馬車から降りてこい!!」
男が突然、大声で仲間を呼び出した。
すると馬車の中から、盗賊風の男達が姿を現したのだ。俺達の馬車を囲うように配置についた。
「何だ! お前らは!?」
俺は叫ぶと盗賊達が笑い出したのである。
「俺達か? 俺達は、盗賊だよ……」
そう言うと盗賊達は武器を構えて接近してきた。
「ミラ! ニア! シャイラ! 戦闘になるから馬車から出てきてくれ!」
俺が叫ぶと、双子とシャイラが馬車から降りてきたのだ。
そして、盗賊達は彼女達を見ると驚いていた。
「おお……!? こんな所に上玉の美少女達がいるぞ!!」
盗賊は彼女達を見るとニヤニヤ笑って厭らしい表情を浮かべ喜んでいたのだ。
「お前達を奴隷商人に売れば、高い金額になるぜ!! 売る前に俺達といい事をしようじゃねえか!!」
盗賊のリーダー格らしい男は下品な笑い声を上げながら言った。
彼が馬車を操縦していた髭を生やした男だった。
「クズめ……。彼女達と戦って勝てるなら、好きにするがいい」
俺は、そう言うと双子達に目で合図をした。
「じゃあ、私達が相手をしてあげるわ……」
「やられても文句はないわね……」
2人は余裕の笑みを浮かべていた。
「このガキ共が! お前等、やっちまえ!!」
盗賊のリーダーは部下達に叫んだ。それを合図に戦いが始まったのである……。
だが、双子達は圧倒的な力で次々と盗賊達を倒していったのだ。シャイラも機敏に動き的確に攻撃を急所に当てていた。
ランシーヌは馬車の中で戦いを覗いていて、俺は眺めていただけだった。そして、シャイラと双子達は連携して戦い次々と倒していったのだ。
盗賊達が全員倒れるのに時間はかからなかった。彼女達も魔物化しないで倒したのであった。
「うぐぐ……」
最後に残ったリーダー格の男だけになった時、表情には悔しさと畏れが表れていた。
「後は、あんただけね……」
「こいつ等、 強い……。悪かった! 助けてくれ~!!」
男が叫ぶと、俺は彼女達に、こう言ったのである。
「こいつの仲間は、まだ何処かに潜んでいる可能性があるから、このまま逃がすわけには行かないな……」
俺がそう言うと、双子達は頷き合った。
「じゃあ、こいつを尋問しましょう……」
「そうね……。仲間がいる場所やアジトも聞き出しましょう」
「じゃあ、私が尋問するわ……」
シャイラがそう言うと男の前に立ったのだ。すると男は怯えていた。
「やめろ! もう許してくれ!! 誰か助けてくれ!!」
男が叫ぶと、シャイラは彼を睨みつけていた。
「うるさいわね……。黙ってなさい!!」
彼女は、そう言うと男の頭を掴み持ち上げた。
「お前みたいなクズは、話すのも嫌だわ……。このまま殺してしまおうかしら……」
シャイラが呟くと男は怯えた表情を浮かべていた。
「おい! 殺すなよ! アジトを聞き出すんだぞ……」
俺は念を押すように言うと、彼女は舌打ちをしていた。
「分かってるわよ……」
すると彼女は男の顔を手から離したのだ。
「アジトは何処にあるの?」
シャイラがそう聞くと男は怯えた表情だったが頑なに答えようとしなかったのである。
「……拷問して聞き出すしかないようね」
彼女は、そう言うと盗賊の男は怯えながらも必死に抵抗していた。
「やめろ! やめてくれ!!」
男が叫ぶとシャイラが近付いて男の股間を触ろうとしたのだ。
「おい! 何をするつもりだ!?」
男が叫ぶと彼女はニヤリと笑って言った。
「ここを潰すのよ……」
それを聞いた男は更に絶叫して泣き出してしまったのである。
だが、シャイラは容赦無く男の股間を握ったのである。
「ぐわぁぁ!!」
男は痛みに耐えられず絶叫していた。そして、シャイラは更に力を入れようとした時、
「わかった! わかった! アジトの場所を話す!!」
泣きながら叫ぶとシャイラは彼を見てニコリと笑っていた。
「そう? それなら、さっさと話しなさい!!」
「わかったから、手を離してくれ~!!」
男は泣き叫びながら懇願していた。そして、男の股間から手を放したのである。
俺は、そんな男を横目に見ながらシャイラは怖いな……と思っていたのだ。彼女の拷問は過激だが手加減も知っているのだ。
それから少しして男が落ち着いた頃を見計らいアジトの場所を聞き出したのであった。
「明日はこの村を出て出発するから、しっかり食べておけよ!」
俺が、そう言うと皆は頷き食事をしている。そんな中、給仕をしている女性が近付いてきて話し掛けてきたのだ。
「お客さん達……、今村で話題になっている事があるのですが……、聞きたいですか?」
俺は首を傾げていた。そんな俺を見て給仕の女性は話を始めたのだ。
「最近、この村の近くで盗賊団を見かけたらしいんですよ……」
「そうなのかい?」
俺が聞くと女性が頷いた。
「ええ……。それで、今日も街道で見かけたらしいんです……」
「そうなのか……。だけど、この村は平和そうだけどな……」
俺がそう言うと彼女は悲しそうにしていた。
「最近までは平和だったんですが……。いつ、襲われるか心配なんです……」
「成程……」
俺が頷くと、彼女は立ち去って行った。その後、食事を終えた俺達は部屋に戻り休む事にしたのだ。
部屋に戻ってから、俺は皆に盗賊団の話をしていた。
「この村の近くで盗賊団が目撃されているそうだ……」
「盗賊団か……。この辺も物騒なのね……」
「もし、出会っても返り討ちにするだけよ……」
ミラとニアがそう答えると、ランシーヌは真剣な表情で頷いていた。
「そうね……。もし、遭遇したら倒すだけね……」
「ああ、そうだな……」
俺はそう言うと、皆はそれぞれ自分のベッドに潜り込み眠りについたのだ。そして、夜が更けていったのである……。
翌日、俺達は宿屋を出た後、次の目的地に向けて出発した。
そして、暫く街道を進んでいると、遠くから馬車が近付いてくるのが見えた。
「もしかして、盗賊か……?」
俺は警戒しながら近付いて来る馬車を見て言った。
「そうかもね……。でも、襲って来なければ無視するだけよ……」
ミラが答えると皆が頷いた。
そして、俺達の近くに馬車は止まったのだ。
「どうしたんだ?」
馬車を操縦していた男性が、俺達に話し掛けてきた。風貌は30代ぐらいで髭を生やしている。
馬車は大型の幌馬車で外からは中が窺えなかったのである。
「俺はこの先の村に行こうと思っているんだが……、お前さん達は何処に向かうんだ?」
「俺達は、この先にある町に行こうと思っているんだが……」
そう答えると男は俺達の馬車の中をジロジロ見ていて、挙動がおかしかった。
「この馬車の中は……、誰かいるのか……?」
そう聞いてきたので俺は警戒心が強まり、いつでも戦える準備をしていた。
「ああ、この馬車の中には仲間がいる……」
「そうか……。お――い! 皆、馬車から降りてこい!!」
男が突然、大声で仲間を呼び出した。
すると馬車の中から、盗賊風の男達が姿を現したのだ。俺達の馬車を囲うように配置についた。
「何だ! お前らは!?」
俺は叫ぶと盗賊達が笑い出したのである。
「俺達か? 俺達は、盗賊だよ……」
そう言うと盗賊達は武器を構えて接近してきた。
「ミラ! ニア! シャイラ! 戦闘になるから馬車から出てきてくれ!」
俺が叫ぶと、双子とシャイラが馬車から降りてきたのだ。
そして、盗賊達は彼女達を見ると驚いていた。
「おお……!? こんな所に上玉の美少女達がいるぞ!!」
盗賊は彼女達を見るとニヤニヤ笑って厭らしい表情を浮かべ喜んでいたのだ。
「お前達を奴隷商人に売れば、高い金額になるぜ!! 売る前に俺達といい事をしようじゃねえか!!」
盗賊のリーダー格らしい男は下品な笑い声を上げながら言った。
彼が馬車を操縦していた髭を生やした男だった。
「クズめ……。彼女達と戦って勝てるなら、好きにするがいい」
俺は、そう言うと双子達に目で合図をした。
「じゃあ、私達が相手をしてあげるわ……」
「やられても文句はないわね……」
2人は余裕の笑みを浮かべていた。
「このガキ共が! お前等、やっちまえ!!」
盗賊のリーダーは部下達に叫んだ。それを合図に戦いが始まったのである……。
だが、双子達は圧倒的な力で次々と盗賊達を倒していったのだ。シャイラも機敏に動き的確に攻撃を急所に当てていた。
ランシーヌは馬車の中で戦いを覗いていて、俺は眺めていただけだった。そして、シャイラと双子達は連携して戦い次々と倒していったのだ。
盗賊達が全員倒れるのに時間はかからなかった。彼女達も魔物化しないで倒したのであった。
「うぐぐ……」
最後に残ったリーダー格の男だけになった時、表情には悔しさと畏れが表れていた。
「後は、あんただけね……」
「こいつ等、 強い……。悪かった! 助けてくれ~!!」
男が叫ぶと、俺は彼女達に、こう言ったのである。
「こいつの仲間は、まだ何処かに潜んでいる可能性があるから、このまま逃がすわけには行かないな……」
俺がそう言うと、双子達は頷き合った。
「じゃあ、こいつを尋問しましょう……」
「そうね……。仲間がいる場所やアジトも聞き出しましょう」
「じゃあ、私が尋問するわ……」
シャイラがそう言うと男の前に立ったのだ。すると男は怯えていた。
「やめろ! もう許してくれ!! 誰か助けてくれ!!」
男が叫ぶと、シャイラは彼を睨みつけていた。
「うるさいわね……。黙ってなさい!!」
彼女は、そう言うと男の頭を掴み持ち上げた。
「お前みたいなクズは、話すのも嫌だわ……。このまま殺してしまおうかしら……」
シャイラが呟くと男は怯えた表情を浮かべていた。
「おい! 殺すなよ! アジトを聞き出すんだぞ……」
俺は念を押すように言うと、彼女は舌打ちをしていた。
「分かってるわよ……」
すると彼女は男の顔を手から離したのだ。
「アジトは何処にあるの?」
シャイラがそう聞くと男は怯えた表情だったが頑なに答えようとしなかったのである。
「……拷問して聞き出すしかないようね」
彼女は、そう言うと盗賊の男は怯えながらも必死に抵抗していた。
「やめろ! やめてくれ!!」
男が叫ぶとシャイラが近付いて男の股間を触ろうとしたのだ。
「おい! 何をするつもりだ!?」
男が叫ぶと彼女はニヤリと笑って言った。
「ここを潰すのよ……」
それを聞いた男は更に絶叫して泣き出してしまったのである。
だが、シャイラは容赦無く男の股間を握ったのである。
「ぐわぁぁ!!」
男は痛みに耐えられず絶叫していた。そして、シャイラは更に力を入れようとした時、
「わかった! わかった! アジトの場所を話す!!」
泣きながら叫ぶとシャイラは彼を見てニコリと笑っていた。
「そう? それなら、さっさと話しなさい!!」
「わかったから、手を離してくれ~!!」
男は泣き叫びながら懇願していた。そして、男の股間から手を放したのである。
俺は、そんな男を横目に見ながらシャイラは怖いな……と思っていたのだ。彼女の拷問は過激だが手加減も知っているのだ。
それから少しして男が落ち着いた頃を見計らいアジトの場所を聞き出したのであった。