第18話 次の魔女への手掛かり

文字数 2,946文字

 エリノーラとの戦いの後、宿に帰ってから朝になると俺達は公衆浴場へと来ていた。

 これまでの旅と戦いでかなり汚れてしまったからだ。

 脱衣所で服を脱ぐと浴室に入っていった。

 俺は石鹸で身体を擦り始めると、女性陣達が入って来た。

 ランシーヌは全裸の姿で何も隠さず入って来て、豊満な胸やくびれた腰、大きな尻が目に入ったのである。

 反対に双子達は胸や股間を手で押さえて隠して入って来た。一瞥すると体には傷は、もう無くなっていた。

 どうやら双子達の切り傷は一晩で治っていたようである。

 俺は、ランシーヌ達の裸体から目を逸らして自分の身体を洗うことに専念した。

 俺が身体を洗い終わると、今度はランシーヌが俺の横に座った。

 そして、ランシーヌは自分の身体を洗うと、自分の胸に石鹸をつけて泡立て始めた。


「えっ……ちょっと……何を……」


 俺は慌てて後ろを振り向いた。


「何って……。背中を流してあげようと思って……」


 ランシーヌはそう言って、自分の胸で俺の背中を洗い出したのである。

 彼女の大きな乳房が俺の背中に当たり柔らかい感触を感じた。


「いや……いいよ! 自分でやるから!!」


 俺は、恥ずかしくなりそう答えた。


「遠慮しないで……。ほら……ここも綺麗にしてあげる……」


 ランシーヌは、俺の下半身を洗いながら耳元で囁いた。


「ちょ……そこは……本当に……駄目だから……あっ……あぁ……」


 俺の制止を無視して、ランシーヌは俺のイチモツを優しく触っていたのだ。


「もう……。こんなに大きくなってるじゃないの……。本当は嬉しいんでしょ?」

「違う……。これは、男の本能というか……。あの……もう止めてくれないか?」


 俺は、これ以上されたら理性が崩壊しそうになり、何とかランシーヌを止めようとした。

 すると、ランシーヌは手の動きを止めると、俺の耳元で囁いたのである。

 その声は甘く艶のある声で、俺は背筋がゾクリとした。


「ねぇ……。私の手の動きが気になるでしょ? 素直になってもいいのよ?」


 ランシーヌはそう言うと、また俺のイチモツを激しく動かした。


「うぅ……。ランシーヌ……。それ以上されると……」

「あら……出しちゃいそうなのかしら?」

「あぁ……。このままだと……」

「ふふ……。我慢しなくて良いわよ……」


 ランシーヌはそう言うと、さらに動きを早くした。

 その瞬間、俺は耐えられなくなりランシーヌの手の中に出してしまったのである。

 ランシーヌは、俺が出した精液を見ると満足そうに笑みを浮かべた。


「たくさん出たわね……。でも、まだまだ元気みたいね」

「そろそろ……。勘弁してくれないか……」

「そうね……。終わりにするわ……」


 そう言うと、ランシーヌは手に付いた俺の精液を流すと、立ち上がって木桶風呂に浸かりに行ったのである。

 俺は、大きく深呼吸をして心を落ち着かせた。

 なんとか冷静さを取り戻すと、今度は、ミラとニアが交代で俺の背中を流そうとしたのだが俺が断ったため、2人は不満そうな表情をしていた。

 そんなこんなで俺も木桶風呂に浸かったのである。

 その後、公衆浴場を出て宿に帰り部屋の中で今後の話し合いをすることにした。


「まずは、これからどうするかだな……」

「私としては、魔女が居そうな町に行ってみたいと思っているんだけど、どうかな?」


 ランシーヌがそう提案してきた。


「しかし、何処に魔女が居るかわからないんだが……」

「そう言えば、この町によく当たる占い師がいるみたいよ……」


 そう言ったのは、ランシーヌだった。


「そうなのか……。じゃあ、今日はその占い師に会いに行くとするか」

「決まりね」


 こうして占い師の店を探すことに決まったのであった。


 俺達はヤルトンで一番有名な占い師を探すために人づてに聞いて占い師の店へと向かった。

 人通りが少ない路地にある、小さな店を見つけると中に入って行った。

 店内は薄暗く、テーブルに水晶玉が置かれているだけで他には誰もいなかった。

 しばらく待つと奥の部屋から老婆が現れたのである。


「お主達が、占いをしに来た客か……」

「はい……。そうです」

「では、そこに座りなさい」


 俺達は言われた通りに椅子に座ると老婆は皆を一瞥した。


「……どうやら、お主達は人間じゃなくなっておるの……」


 老婆は俺達を順番に見てそう話したのである。

 その言葉に全員が驚いた。


「お主達の雰囲気や気を感じ取ってみて分かったんじゃ……」

「どうして、わかったの?」


 ランシーヌは不思議に思い質問をした。


「それは、儂が特別な占い師だからじゃ……」

「俺達の正体が分かるのか!?」


 俺は、思わず身を乗り出して聞いた。


「残念ながら、そこまでは分からんよ……」

「なんだ……」

「ただ、人間の気配ではないのは確かじゃ……。それに、ここに来るまでに人間じゃない者と戦ってきたじゃろう?」

「確かに、そうだが……。なんでわかるんだ?」

「それも、儂の力と言うしかないのぉ……。それよりも、占って欲しいことがあるんじゃないか?」


 俺はハッとして本来の目的を思い出した。


「実は、魔女を捜しているんですが、何処の町にいるのか知りたいのですが分かりますか?」

「なるほど……。少し待っておれ……」


 そう言うと、老婆は水晶玉を見つめた。

 しばらくして、何かを念じるように目を瞑ったのである。

 すると、突然、目をカッと開けて呟いた。


「これは……」


 老婆は驚愕していたのである。


「これは……間違いない! お主達が探している魔女は、ここから西の方角へ行ったところにある町に居るはずじゃ!」

「本当なの!!」

「あぁ……だが、注意するのじゃ! 奴らは、邪悪な力を持っていて人々を惑わし操っている筈じゃ!!」


 老婆の言葉に全員の顔色が変わった。

 俺は唾を飲み込み、緊張しながら聞いていた。

 すると、ランシーヌが真剣な表情で口を開いた。


「その町に行けば会えるのね?」

「おそらく、そうじゃ……。すまんが儂には、ここまでしか分からん……」


 そう言って、老婆は申し訳なさそうにしていた。

 そして、ランシーヌは俺達の方を向くと話しかけてきたのである。

 その表情からは、瞳の奥に強い意志を感じた。


「みんな、行くわよ!!」


 ランシーヌは決意に満ちた顔で力強く宣言したのであった。

 俺達は、老婆の店を後にすると宿屋に戻り、今後のことを相談することにした。


「ランシーヌ! 相手の 魔女が、どんな力を持っているのか分らないと危険じゃないか?」

「大丈夫よ……。私が何とかしてみせるわ……」

「でも、相手も魔女だよ? 何をしてくるか分からないし、油断したら危ないと思うよ?」


 ニアも心配そうに言った。


「私なら問題ないわ……。私の力は不死身だけじゃないのよ? 私の魔力で、色々な魔法が使えるわ」


 ランシーヌは自信満々に答えた。

 ミラが話に加わってきて彼女は、いつになく真面目な雰囲気で話し出したのだ。


「ランシーヌは強いわ……。けど、魔女には様々な配下がいるから用心に越したことはないわ……」

「まぁ、そうだな……」


 俺はミラの意見に同意するように相槌を打った。


「それじゃあ、明日から移動することにしよう」

「分かったわ」

「了解!」

「うん」


 次の日、俺達はヤルトンの町を出て魔女が居ると言われている町に向かったのである。
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