第75話 妖術剣士セドリック
文字数 3,504文字
ダンカンの完全なる死を確認したシェールは、ロシェルに話しかけた。
「レアンはどうしたの?」
「実はレアンは殺されてしまったの……」
ポツリと呟いたロシェルの言葉に2人は驚きを隠せなかった。
「え!? レアンは死んだの!?」
ノバがそう叫ぶと、シェールはロシェルに質問したのだった。
「ねぇ……、レアンはどう殺されたの?」
2人の視線を受けたロシェルは気まずそうな表情を浮かべていた。
「レアンは、髭を生やした男が粘液状の化け物に変身して摂りこまれ溶かされたわ……」
ロシェルはその事を言いづらそうにしていたのだった。そして尚、話を続けたのである。
「しかし、レアンは溶かされかかっても魔法を発動したの……。そのおかげで男が人間に戻った時に動きを封じることが出来て私が止めを刺したわ……」
そして、ロシェルは深い溜め息を吐いたのだ。彼女の話を聞いた2人は言葉を失っていたのだった。
レアンの死を悼む2人だったが、いつまでも悲しんでいる訳にはいかなかった。
「レアンの死は悲しいけど、今は悲しんでいる時ではないわ。カサンドラ様が魔女を倒すのを手伝いましょう!」
シェールは2人を励ますようにそう言ったのだった。
ロシェルとノバも悲しみを堪えながら頷き合ったのである。
シェール、ノバ、ロシェル、レアンがカタリーナの配下達と戦っていた頃、サロメはセドリックと激しい戦いを繰り広げていたのだ。
「うぉぉぉ!!」
セドリックは雄叫びを上げながら剣を振りかざしサロメに襲い掛かったのだ。
「死ねぇぇ!!」
彼はそう叫びながらサロメの三日月斧の間合いに飛び込み剣を振るのだが、彼女は斧の柄でその攻撃を受け止めたのだ。
すると、2人の間で激しい火花が散り金属音が響き渡るのであった。そして、互いに一歩も引かずに鍔迫り合いになったのである。
(くぅぅ……、なんて馬鹿力だ!)
セドリックは段々とサロメの怪力に押され始めていたのだ。そして、彼女は斧の柄を回転させて彼の剣を巻き上げて弾き飛ばしたのである。
「しまった!」
彼は剣を弾き飛ばされた事に気を取られてしまった。その隙を逃さずサロメは彼の首に目掛けて斧を振るったのだった。
「うおっ!!」
セドリックは間一髪で躱したのだがバランスを失い、転んで倒れ込んでしまったのである。
サロメは倒れたセドリックに止めを刺そうと近付いたのだが、彼はニヤリと笑みを浮かべ直ぐに立ち上がり剣を拾って身構えたのである。
「まさか、ここまで力が強いとは……」
セドリックは剣を構えながらそう呟いた。すると、サロメも斧を構えながら言ったのだった。
「ふん! お前も中々の腕前だね! 普通の奴なら首を刎ねられていたよ!」
すると、彼は笑みを浮かべ彼女の言葉を否定するようにこう言い放ったのだ。
「それは違うな! 俺だから躱す事が出来たんだ!」
「ふふふ……。負け惜しみを言うな! 次に斧の間合いに入ったが最期だ!!」
サロメはそう言い放つと、彼に襲いかかろうと前に出たのである。すると、彼は彼女の動きを見て笑みを浮かべたのだった。
「今から俺の妖術を見せてやる!!」
すると、彼は斧の間合いを上手く外しながらサロメの周りを走り出したのだ。彼女はその動きに苛立ちを覚えていたのだが、冷静に彼の動きを見ていたのである。
「何を狙っているかは知らないが、これで終わりだ!!」
そう言い放つと彼女は勢いよく駆け出し彼に向かって斧を振るった。すると、セドリックは斧を躱すと、剣に妖気を纏わせたのだった。
妖気を纏わせた剣は不気味な紫色をした光を放っていたのだ。そして、その剣を見たサロメは一瞬、目が回る様な感覚に陥ったのだ。
続いて彼女が気づいた時にはセドリックの姿が複数になっていたのである。
「何っ!!」
サロメは驚きの声を上げたが、彼女は冷静に周りを見回した。だが、彼女の周囲にはセドリックが複数立っていたのだ。
(これは幻影か!?)
すると、彼女達に向かって突然斬りかかってくるセドリック達の姿が目に入ってきたのである。
「くそぉ! これがお前の妖術なのか!?」
彼女はそう言って、セドリック達に向かって斧を振るったのだった。すると、斧が当たったセドリックは刃が素通りし、斧の一撃の感触が全くなかったのだ。
「何!?」
すると、背後から斬りかかってきたセドリックの一撃を背中に受けてしまった。
「ぐわぁ!!」
彼女は激痛のあまり悲鳴を上げたのだった。そして背後から彼の声が聞こえていた。
「ひゃはは! 今斬ったのは幻影だ、本物の俺は後ろから斬りかかったんだよ!」
笑いながらそう言い放つと彼は又、剣に妖気を纏わせて彼女の周りを走り出したのである。
「くそぉ!! 舐めるな!!」
サロメはそう叫ぶと三日月斧を振り回しながらセドリックに向かって行ったのだった。そして、彼女は渾身の力を込めて斧を振り下ろしたのである。だが、セドリックに当たると斧の刃が素通りしたのだ。
彼女が空振りした後、彼は横から斬りかかった。すると、彼女は咄嗟に体を躱したのだが、セドリックの剣は彼女の脇腹を掠めたのだ。
「くっ!」
サロメはその痛みで顔を歪めていた。すると、セドリックは攻撃の手を緩めずに次々に剣で斬りかかったのである。
「そらそら!どうした!!」
彼女は避け続けたのだが、彼は彼女の動きを読んでいるかのように攻撃の手を止めなかったのだった。彼女は次第に切り傷が増えていったのである。
「うぐぅ!!」
サロメは苦痛の表情を浮かべながら膝を着きそうになった。すると、セドリックは攻撃の手を休めて彼女に話しかけたのだ。
「もっと苦しめ! 俺は女が苦しんでいる顔を見ると興奮するんだ!!」
「下衆め……」
彼女は睨みつけながらそう吐き捨てた。サロメはセドリックを睨み続けていたのだが、彼の股間が勃起しているのが見て取れたのである。
「貴様……。この変態野郎……!」
サロメが軽蔑の眼差しを彼に向けたのだが、彼は整った顔を淫虐な笑みを浮かべて答えたのだった。
「ああ!そうだ! 変態だよ! しかし、ダンカンのオッサンや相棒のダミアンに比べたら、俺はまだましな方だぜ!!」
セドリックはそう言い放ったのだが、彼女はそんな彼の言葉を無視して立ち上がると彼に斧を向けたのだ。すると、セドリックが彼女に話しかけてきたのである。
「あのオッサンは、これまで何十人もの女達を強姦してきた犯罪者だぜ……。ダミアンなんか俺がいたぶって殺した女の体の一部を切り取って蒐集していたんだからな!」
「黙れ!!」
サロメはセドリックと彼の仲間の悪行に胸糞が悪くなったのだ。
彼女は怒りに満ちた顔で斧を振りかざしながら満身創痍の状態でも突っ込んで行ったのである。
「うおぉぉ!!」
セドリックに向かって斧を振り下ろしたその時、彼の姿が忽然と消えたのだ。
「何っ!?」
サロメが驚きの声を上げた直後、彼女は背後から足首の辺りを斬りつけられたのである。
「うぐっ!!」
彼女は斬りつけられて体勢を崩したのだが、何とか倒れないように踏ん張り振り向きざまに斧を振るったのだ。すると、背後から彼の笑い声が聞こえてきたのである。
「ひゃははは! そんな大振りで当たるものか! アキレス腱を斬りつけたから思うように動けんぞ!」
セドリックはそう言って嘲笑っていた。
「くぅぅ……」
サロメは足首の痛みを堪えながら、セドリックに向かって斧を振るっていたのだが、彼は妖術を使って幻影を作り出していた。
「くそぉ!! どれが本物なんだ!?」
彼女は苛立ちを隠せなかった。すると、セドリックは彼女の背後に回り込み背中を斬りつけたのだ。
「ぐはっ!!」
サロメは苦痛のあまり膝をついてしまったのである。そんな彼女に彼は嬉しそうに話しかけたのだった。
「どうだ! 貴様にこの術を破る事は不可能だ!」
「舐めるなぁ!!」
そう言って斧を振り上げ、セドリックに向かって振りかぶった。すると、彼は幻影で空振りしたのである。
そして、幻影の妖術で段々イラついてきた彼女は、幻影を次々に斬りかかり始めたのだ。
「死ねぇぇ!!」
彼女は力任せに斧を振るったのである。すると、彼女の周りにいたセドリック達の幻影が消滅したのだった。
しかし、その直後にサロメの背後に回ったセドリックが腹部に剣で突き刺したのだ。
「ぐうぅ!!」
彼女は腹部の痛みで顔を歪めながら、背後から剣を突き立てているセドリックを睨みつけた。
「ひゃははっ! お前は馬鹿か!? そんな大振りの攻撃が当たる訳がないだろ!!」
彼はサロメを嘲笑ったのだ。すると、彼女は剣を刺されたまま崩れるように倒れたのであった。
「レアンはどうしたの?」
「実はレアンは殺されてしまったの……」
ポツリと呟いたロシェルの言葉に2人は驚きを隠せなかった。
「え!? レアンは死んだの!?」
ノバがそう叫ぶと、シェールはロシェルに質問したのだった。
「ねぇ……、レアンはどう殺されたの?」
2人の視線を受けたロシェルは気まずそうな表情を浮かべていた。
「レアンは、髭を生やした男が粘液状の化け物に変身して摂りこまれ溶かされたわ……」
ロシェルはその事を言いづらそうにしていたのだった。そして尚、話を続けたのである。
「しかし、レアンは溶かされかかっても魔法を発動したの……。そのおかげで男が人間に戻った時に動きを封じることが出来て私が止めを刺したわ……」
そして、ロシェルは深い溜め息を吐いたのだ。彼女の話を聞いた2人は言葉を失っていたのだった。
レアンの死を悼む2人だったが、いつまでも悲しんでいる訳にはいかなかった。
「レアンの死は悲しいけど、今は悲しんでいる時ではないわ。カサンドラ様が魔女を倒すのを手伝いましょう!」
シェールは2人を励ますようにそう言ったのだった。
ロシェルとノバも悲しみを堪えながら頷き合ったのである。
シェール、ノバ、ロシェル、レアンがカタリーナの配下達と戦っていた頃、サロメはセドリックと激しい戦いを繰り広げていたのだ。
「うぉぉぉ!!」
セドリックは雄叫びを上げながら剣を振りかざしサロメに襲い掛かったのだ。
「死ねぇぇ!!」
彼はそう叫びながらサロメの三日月斧の間合いに飛び込み剣を振るのだが、彼女は斧の柄でその攻撃を受け止めたのだ。
すると、2人の間で激しい火花が散り金属音が響き渡るのであった。そして、互いに一歩も引かずに鍔迫り合いになったのである。
(くぅぅ……、なんて馬鹿力だ!)
セドリックは段々とサロメの怪力に押され始めていたのだ。そして、彼女は斧の柄を回転させて彼の剣を巻き上げて弾き飛ばしたのである。
「しまった!」
彼は剣を弾き飛ばされた事に気を取られてしまった。その隙を逃さずサロメは彼の首に目掛けて斧を振るったのだった。
「うおっ!!」
セドリックは間一髪で躱したのだがバランスを失い、転んで倒れ込んでしまったのである。
サロメは倒れたセドリックに止めを刺そうと近付いたのだが、彼はニヤリと笑みを浮かべ直ぐに立ち上がり剣を拾って身構えたのである。
「まさか、ここまで力が強いとは……」
セドリックは剣を構えながらそう呟いた。すると、サロメも斧を構えながら言ったのだった。
「ふん! お前も中々の腕前だね! 普通の奴なら首を刎ねられていたよ!」
すると、彼は笑みを浮かべ彼女の言葉を否定するようにこう言い放ったのだ。
「それは違うな! 俺だから躱す事が出来たんだ!」
「ふふふ……。負け惜しみを言うな! 次に斧の間合いに入ったが最期だ!!」
サロメはそう言い放つと、彼に襲いかかろうと前に出たのである。すると、彼は彼女の動きを見て笑みを浮かべたのだった。
「今から俺の妖術を見せてやる!!」
すると、彼は斧の間合いを上手く外しながらサロメの周りを走り出したのだ。彼女はその動きに苛立ちを覚えていたのだが、冷静に彼の動きを見ていたのである。
「何を狙っているかは知らないが、これで終わりだ!!」
そう言い放つと彼女は勢いよく駆け出し彼に向かって斧を振るった。すると、セドリックは斧を躱すと、剣に妖気を纏わせたのだった。
妖気を纏わせた剣は不気味な紫色をした光を放っていたのだ。そして、その剣を見たサロメは一瞬、目が回る様な感覚に陥ったのだ。
続いて彼女が気づいた時にはセドリックの姿が複数になっていたのである。
「何っ!!」
サロメは驚きの声を上げたが、彼女は冷静に周りを見回した。だが、彼女の周囲にはセドリックが複数立っていたのだ。
(これは幻影か!?)
すると、彼女達に向かって突然斬りかかってくるセドリック達の姿が目に入ってきたのである。
「くそぉ! これがお前の妖術なのか!?」
彼女はそう言って、セドリック達に向かって斧を振るったのだった。すると、斧が当たったセドリックは刃が素通りし、斧の一撃の感触が全くなかったのだ。
「何!?」
すると、背後から斬りかかってきたセドリックの一撃を背中に受けてしまった。
「ぐわぁ!!」
彼女は激痛のあまり悲鳴を上げたのだった。そして背後から彼の声が聞こえていた。
「ひゃはは! 今斬ったのは幻影だ、本物の俺は後ろから斬りかかったんだよ!」
笑いながらそう言い放つと彼は又、剣に妖気を纏わせて彼女の周りを走り出したのである。
「くそぉ!! 舐めるな!!」
サロメはそう叫ぶと三日月斧を振り回しながらセドリックに向かって行ったのだった。そして、彼女は渾身の力を込めて斧を振り下ろしたのである。だが、セドリックに当たると斧の刃が素通りしたのだ。
彼女が空振りした後、彼は横から斬りかかった。すると、彼女は咄嗟に体を躱したのだが、セドリックの剣は彼女の脇腹を掠めたのだ。
「くっ!」
サロメはその痛みで顔を歪めていた。すると、セドリックは攻撃の手を緩めずに次々に剣で斬りかかったのである。
「そらそら!どうした!!」
彼女は避け続けたのだが、彼は彼女の動きを読んでいるかのように攻撃の手を止めなかったのだった。彼女は次第に切り傷が増えていったのである。
「うぐぅ!!」
サロメは苦痛の表情を浮かべながら膝を着きそうになった。すると、セドリックは攻撃の手を休めて彼女に話しかけたのだ。
「もっと苦しめ! 俺は女が苦しんでいる顔を見ると興奮するんだ!!」
「下衆め……」
彼女は睨みつけながらそう吐き捨てた。サロメはセドリックを睨み続けていたのだが、彼の股間が勃起しているのが見て取れたのである。
「貴様……。この変態野郎……!」
サロメが軽蔑の眼差しを彼に向けたのだが、彼は整った顔を淫虐な笑みを浮かべて答えたのだった。
「ああ!そうだ! 変態だよ! しかし、ダンカンのオッサンや相棒のダミアンに比べたら、俺はまだましな方だぜ!!」
セドリックはそう言い放ったのだが、彼女はそんな彼の言葉を無視して立ち上がると彼に斧を向けたのだ。すると、セドリックが彼女に話しかけてきたのである。
「あのオッサンは、これまで何十人もの女達を強姦してきた犯罪者だぜ……。ダミアンなんか俺がいたぶって殺した女の体の一部を切り取って蒐集していたんだからな!」
「黙れ!!」
サロメはセドリックと彼の仲間の悪行に胸糞が悪くなったのだ。
彼女は怒りに満ちた顔で斧を振りかざしながら満身創痍の状態でも突っ込んで行ったのである。
「うおぉぉ!!」
セドリックに向かって斧を振り下ろしたその時、彼の姿が忽然と消えたのだ。
「何っ!?」
サロメが驚きの声を上げた直後、彼女は背後から足首の辺りを斬りつけられたのである。
「うぐっ!!」
彼女は斬りつけられて体勢を崩したのだが、何とか倒れないように踏ん張り振り向きざまに斧を振るったのだ。すると、背後から彼の笑い声が聞こえてきたのである。
「ひゃははは! そんな大振りで当たるものか! アキレス腱を斬りつけたから思うように動けんぞ!」
セドリックはそう言って嘲笑っていた。
「くぅぅ……」
サロメは足首の痛みを堪えながら、セドリックに向かって斧を振るっていたのだが、彼は妖術を使って幻影を作り出していた。
「くそぉ!! どれが本物なんだ!?」
彼女は苛立ちを隠せなかった。すると、セドリックは彼女の背後に回り込み背中を斬りつけたのだ。
「ぐはっ!!」
サロメは苦痛のあまり膝をついてしまったのである。そんな彼女に彼は嬉しそうに話しかけたのだった。
「どうだ! 貴様にこの術を破る事は不可能だ!」
「舐めるなぁ!!」
そう言って斧を振り上げ、セドリックに向かって振りかぶった。すると、彼は幻影で空振りしたのである。
そして、幻影の妖術で段々イラついてきた彼女は、幻影を次々に斬りかかり始めたのだ。
「死ねぇぇ!!」
彼女は力任せに斧を振るったのである。すると、彼女の周りにいたセドリック達の幻影が消滅したのだった。
しかし、その直後にサロメの背後に回ったセドリックが腹部に剣で突き刺したのだ。
「ぐうぅ!!」
彼女は腹部の痛みで顔を歪めながら、背後から剣を突き立てているセドリックを睨みつけた。
「ひゃははっ! お前は馬鹿か!? そんな大振りの攻撃が当たる訳がないだろ!!」
彼はサロメを嘲笑ったのだ。すると、彼女は剣を刺されたまま崩れるように倒れたのであった。