第17話

文字数 451文字

 訪問者は少女であった。
 接客用の和室に通された少女は、ナツよりも身長が低い。
 日焼けした手足は棒のように細くてまっすぐだ。
 腕の皮膚は乾いていたが、指のほうが荒れていて空手でもやっているのかもしれない。
 「こんにちは」
 かなり礼儀正しく、堂に入った挨拶をしてきた。
 「倉多です」
 少女は自己紹介して地元の高校に通っていると話した。
 「神社のほうでここに行けばいいと言われて」
 倉多は、すこし頼りなさげに話す。
 「杉野の助言かあ」
 杉野の紹介なら解決しないわけにはいかない。
 杉野はナツたちの仲間で、神社の巫女をやっている。
 ときたま、不可思議な悩み事の解決を引き受けている。
 「引き受けてくれるんですね?」
 倉多の声は必死なものが感じられる。
 杉野の紹介ならば、妖怪に関係したことであろう。
 「引き受けるから、安心していい」
 ナツは彼女の不安を取り払うように言う。
 「とりあえずどんな怪現象が起きているんだい?」
 白雲が話を進めるために悩み事について聞く。

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