第56話 プリン
文字数 1,006文字
地下鉄 美道筋線の 南端 南鉄山駅に程近い住宅街にある団地の一室。
誰もいないはずの部屋の中でパタパタと足音がしたり、きいきいと家具の軋む音がする。
プリンのお皿とスプーンが宙に浮いている。
普通の人間にとってはラップ音だったり、ポルターガイスト現象だと思う不可解な現象の数々がこの部屋では頻発する。
「ドーラ、あわてないでちゃんと座って食べたらいいだろう。」
「だってさっきのはスプーンを取りに行った隙にアウラが食べたのじゃ。それもスプーンを使わずに一口でつるんって飲み込んだのじゃ。プリンはスプーンで少しずつすくってあじあわないと可哀想なのじゃ。」
「一口でつるんって飲んじゃうのも喉越しが素敵よ。」
アウラも負けていない。
「ダメじゃ、それじゃプリンでもゼリーでも一緒じゃ。プリンはプリンの甘さ滑らかさを味合わないとプリンに失礼なのじゃ。」
「ドーラ、そんな事言っている内にすねこすりに食べられているぞ。」
「え?あ?あーっ。こらー。」
「ドーラ、まだおやつの時間じゃにゃいのに1人だけ勝手に食べようとするから取られちゃうにゃ。」
ありさのお手伝いをするようになった猫又の玉(タマ)がいう。
ラップ音もポルターガイストも見えてしまうとこんな感じだった。
「タマちゃんみんなにもプリンを出してあげて。」
「え?わしのは?」
「あんた2つも食べたじゃない。」
「食べたのはアウラとすねこすりでわしは食べてはおらんのじゃ。」
泣きそうになっているドーラに塚田優子がプリンを持たせる。
「うう、ユーコは優しいのじゃ。」
しかし塚田さんまでここにいるのはなんでなんだ。
6畳しかないリビング兼ダイニングに集まりすぎじゃないか。
「あきらのとこ親が一緒に住んでないから気楽でいいんだよ。」
ユキオが言うとありさの姿が葛葉に変化する。
「あらー、ユキオちゃん、そんなに親を邪魔にしてどんな悪いことをするつもりなのかなー。」
「うわー。ごめんなさーい。」
「あーははは。」
元に戻ったありさが大笑いする。
「この式神いっつも俺をからかうー。」
「あんた達っていつも騒がしいのかしら?」
真っ白な肌に銀色の髪、白い飾りっ気のないワンピースを着たあきら達と同じくらいの年齢に見える女の子がいつの間にか椅子に座ってプリンをつついている。
「えっ?」
「あっ!」
「どーして?」
「なんで弥勒菩薩(ミスラ)が?」
「いけないかしら?」
ひゃー。っとあきらとユキオは飛び退いた。
これは死んだかもしれない。
誰もいないはずの部屋の中でパタパタと足音がしたり、きいきいと家具の軋む音がする。
プリンのお皿とスプーンが宙に浮いている。
普通の人間にとってはラップ音だったり、ポルターガイスト現象だと思う不可解な現象の数々がこの部屋では頻発する。
「ドーラ、あわてないでちゃんと座って食べたらいいだろう。」
「だってさっきのはスプーンを取りに行った隙にアウラが食べたのじゃ。それもスプーンを使わずに一口でつるんって飲み込んだのじゃ。プリンはスプーンで少しずつすくってあじあわないと可哀想なのじゃ。」
「一口でつるんって飲んじゃうのも喉越しが素敵よ。」
アウラも負けていない。
「ダメじゃ、それじゃプリンでもゼリーでも一緒じゃ。プリンはプリンの甘さ滑らかさを味合わないとプリンに失礼なのじゃ。」
「ドーラ、そんな事言っている内にすねこすりに食べられているぞ。」
「え?あ?あーっ。こらー。」
「ドーラ、まだおやつの時間じゃにゃいのに1人だけ勝手に食べようとするから取られちゃうにゃ。」
ありさのお手伝いをするようになった猫又の玉(タマ)がいう。
ラップ音もポルターガイストも見えてしまうとこんな感じだった。
「タマちゃんみんなにもプリンを出してあげて。」
「え?わしのは?」
「あんた2つも食べたじゃない。」
「食べたのはアウラとすねこすりでわしは食べてはおらんのじゃ。」
泣きそうになっているドーラに塚田優子がプリンを持たせる。
「うう、ユーコは優しいのじゃ。」
しかし塚田さんまでここにいるのはなんでなんだ。
6畳しかないリビング兼ダイニングに集まりすぎじゃないか。
「あきらのとこ親が一緒に住んでないから気楽でいいんだよ。」
ユキオが言うとありさの姿が葛葉に変化する。
「あらー、ユキオちゃん、そんなに親を邪魔にしてどんな悪いことをするつもりなのかなー。」
「うわー。ごめんなさーい。」
「あーははは。」
元に戻ったありさが大笑いする。
「この式神いっつも俺をからかうー。」
「あんた達っていつも騒がしいのかしら?」
真っ白な肌に銀色の髪、白い飾りっ気のないワンピースを着たあきら達と同じくらいの年齢に見える女の子がいつの間にか椅子に座ってプリンをつついている。
「えっ?」
「あっ!」
「どーして?」
「なんで弥勒菩薩(ミスラ)が?」
「いけないかしら?」
ひゃー。っとあきらとユキオは飛び退いた。
これは死んだかもしれない。