第44話 阿修羅(アスラ)1
文字数 1,169文字
「今日はカレーなの?」
「電子レンジで温められるカレーとご飯よ。」
サキが言う。
「ありさは?」
サキが指差したところには形代(かたしろ)が落ちている。
あきらが拾い上げて息を吹きかけると形代はありさになった。
急に人化したので、のしかかるような姿勢になってあきらに抱きついてきょとんとしている。
「何かあった?」
「なんだかわからないけど、なんか来た。でも、それが来たとたんに形代に戻って動けなくなった。」
「ふむ、葛葉の形代がその有様とはのう。」
ドーラが難しい顔をして腕を組んでいるが、ちっちゃい子モードなのでなんかかわいい。
「あーっ、ご飯の用意がー。」
ありさがあわてているがサキがカレーの事を言うとちょっと苦笑して食器の用意をはじめた。
葛葉(くずは)はあきらの母の名前。
母も父も仕事について詳しく話すことがない。
サン○ーバードのような国際救助隊的な仕事としか聞いていない。
科学特捜隊みたいな会社だとも言っていた。
だいたいサラリーマンのように会社に行くと言っていたし、今も父の単身赴任に母がついて行っている。
子供も高校生と専門学校生だし式神もいるので心配していないようだ。
「ふーん、ありさはお母さんが作った形代(かたしろ)だったのね。」
サキが妙に納得する。
「ドーラ、あの大ムカデが言っていたアスラって鬼神阿修羅の事?」
パカっと冷蔵庫が開いて少女が出て来る。
小学校3年生ぐらいかな?
半ズボンにゾウの絵が描いてあるTシャツ。
「そうだオレだ鬼神阿修羅だ。驚いたか?」
何故かプリンのカップとスプーンを持っている。
「寒くなかったの?」
「オレはめっちゃ強いから大丈夫。」
唇が紫になっているけど。
「この子どうしてここにいるの?」
アスラが持っていたカップとスプーンをありさにわたして「ごちそうさま。」って言う。
礼儀正しい。いい子だ。
きゅっとあきらの方に向き直ると
「本人がいるんだからドーラじゃなくてオレに聞け。」
上目遣いで睨んで来る。
「禍邪(カジャ)が面白いことがあるから来いって呼んだ。」
「だけど初めはおどろおどろしい演出とかあったし、もっと謎めいてなかったか?」
「あんなの一部の人間にはそう感じるだけの事、おまえ達には見えてしまうのだから無意味だし面倒くさいのだ。」
アスラが腰に手を当てて堂々と言う。
こいつらみんな見た目がお子様なのになんでこんなに偉そうなんだ?
だいたい面倒くさいとかで友人やその家族の魂をパクパク食べておいてずうずうしい。
「そう言うな人間だって一方でパクパク食べておいてもう一方ではペットにしてかわいいとかかわいそうとか勝手な事を言っているじゃないか。」
「心を読んだ?」
「何を言っている、オレは神だぞ。人が神に隠し事など出来る訳ないだろうが。」
ちっちゃくてかわいいとか思ってもバレるのか?
アスラが頬を赤くして、
「バカ者。」
と言う。
「本当だった。」
「電子レンジで温められるカレーとご飯よ。」
サキが言う。
「ありさは?」
サキが指差したところには形代(かたしろ)が落ちている。
あきらが拾い上げて息を吹きかけると形代はありさになった。
急に人化したので、のしかかるような姿勢になってあきらに抱きついてきょとんとしている。
「何かあった?」
「なんだかわからないけど、なんか来た。でも、それが来たとたんに形代に戻って動けなくなった。」
「ふむ、葛葉の形代がその有様とはのう。」
ドーラが難しい顔をして腕を組んでいるが、ちっちゃい子モードなのでなんかかわいい。
「あーっ、ご飯の用意がー。」
ありさがあわてているがサキがカレーの事を言うとちょっと苦笑して食器の用意をはじめた。
葛葉(くずは)はあきらの母の名前。
母も父も仕事について詳しく話すことがない。
サン○ーバードのような国際救助隊的な仕事としか聞いていない。
科学特捜隊みたいな会社だとも言っていた。
だいたいサラリーマンのように会社に行くと言っていたし、今も父の単身赴任に母がついて行っている。
子供も高校生と専門学校生だし式神もいるので心配していないようだ。
「ふーん、ありさはお母さんが作った形代(かたしろ)だったのね。」
サキが妙に納得する。
「ドーラ、あの大ムカデが言っていたアスラって鬼神阿修羅の事?」
パカっと冷蔵庫が開いて少女が出て来る。
小学校3年生ぐらいかな?
半ズボンにゾウの絵が描いてあるTシャツ。
「そうだオレだ鬼神阿修羅だ。驚いたか?」
何故かプリンのカップとスプーンを持っている。
「寒くなかったの?」
「オレはめっちゃ強いから大丈夫。」
唇が紫になっているけど。
「この子どうしてここにいるの?」
アスラが持っていたカップとスプーンをありさにわたして「ごちそうさま。」って言う。
礼儀正しい。いい子だ。
きゅっとあきらの方に向き直ると
「本人がいるんだからドーラじゃなくてオレに聞け。」
上目遣いで睨んで来る。
「禍邪(カジャ)が面白いことがあるから来いって呼んだ。」
「だけど初めはおどろおどろしい演出とかあったし、もっと謎めいてなかったか?」
「あんなの一部の人間にはそう感じるだけの事、おまえ達には見えてしまうのだから無意味だし面倒くさいのだ。」
アスラが腰に手を当てて堂々と言う。
こいつらみんな見た目がお子様なのになんでこんなに偉そうなんだ?
だいたい面倒くさいとかで友人やその家族の魂をパクパク食べておいてずうずうしい。
「そう言うな人間だって一方でパクパク食べておいてもう一方ではペットにしてかわいいとかかわいそうとか勝手な事を言っているじゃないか。」
「心を読んだ?」
「何を言っている、オレは神だぞ。人が神に隠し事など出来る訳ないだろうが。」
ちっちゃくてかわいいとか思ってもバレるのか?
アスラが頬を赤くして、
「バカ者。」
と言う。
「本当だった。」