第73話 幸田先生
文字数 1,016文字
「おーい、塚田。授業が始まってからずーっと後ろを向いているって先生は悲しい。それで成績が悪ければ自業自得とか言えるんだが、学年トップって俺はいったいなんなんだー。」
「幸田先生ー。途中からグチになってまーす。」
「和泉と塚田は席を入れ替えろ。そうすれば塚田も前を向いているだろう。」
「キガラもキアラもユーコの机の上に行けよ。」
あきらが言うとセキセイインコの姿をした竒牙羅(キガラ)とサクラ文鳥の姿の竒阿羅(キアラ)がパタパタと飛んで行く。
ハムスターの姿の禍邪(かじゃ)ももたもたとユーコの机の方に行く。
「和泉、学校にペットを連れてくるなよ。塚田の気が散るだろう。」
幸田先生には見えても他の生徒には見えていないのでみんな怪訝な顔をする。
放課後あきら達は職員室に幸田先生を訪ねる。
幸い幸田先生以外は誰もいないようだ。
「なんだお前たち?用事のない帰宅組はさっさと帰った方がいいぞ。放課後の学校って言うのはいろいろやばいんだぞ。」
いいながら幸田先生は「ぎひひ」と笑う。
どうやらこの人もただものではない様子。
「先生はセキセイインコやサクラ文鳥が見えるんですよね。」
「ん?ペットを学校に連れて来るのはどうかと思うぞ。特にあんな小さな生き物は安全が確保出来ないだろう?」
「俺達なら大丈夫だぜ。」
キガラとキアラがパタパタと飛んで来たかと思うとポンっと小鬼の姿になった。
「ん?」
っと先生は一瞬たじろいだがすぐに腑に落ちたというようにニヤリと笑う。
「そうか、お前たちもか。お前たちにもいろいろ見えちゃうって事か。」
「先生も術者なの?」
ユキオが問う。
「いや俺は見えるだけ。ただ見えるだけだと霊や妖は調子にのってちょっかいを出してくるので護符のコピーぐらいは持っているぞ。」
「ドーラ。先生に術は使える?」
あきらがドーラに問いかける。
「問題ないのじゃ、術式と符があれば危害を避けることはできる。」
「元来、鬼も妖もいたずらが好きな程度じゃから恐れすぎないかぎりはほうっておいてもなんともないのじゃ。問題は霊じゃな。元が人間だけにタチが悪いのじゃ。」
「お前たちは学校の怪談を知っているか?」
「トイレの花子さんとか?でも本当にいるなら先生にも見えているんじゃないの?」
「今時の子供にはあんまり受けないって言って出て来るのを嫌がっているんだ。」
「僕らじゃ逆効果でしょう。除霊されると思われちゃうよ。」
「なんか元気づけてやりたいんだけど。」
「霊を元気づけるって変な先生。」
「幸田先生ー。途中からグチになってまーす。」
「和泉と塚田は席を入れ替えろ。そうすれば塚田も前を向いているだろう。」
「キガラもキアラもユーコの机の上に行けよ。」
あきらが言うとセキセイインコの姿をした竒牙羅(キガラ)とサクラ文鳥の姿の竒阿羅(キアラ)がパタパタと飛んで行く。
ハムスターの姿の禍邪(かじゃ)ももたもたとユーコの机の方に行く。
「和泉、学校にペットを連れてくるなよ。塚田の気が散るだろう。」
幸田先生には見えても他の生徒には見えていないのでみんな怪訝な顔をする。
放課後あきら達は職員室に幸田先生を訪ねる。
幸い幸田先生以外は誰もいないようだ。
「なんだお前たち?用事のない帰宅組はさっさと帰った方がいいぞ。放課後の学校って言うのはいろいろやばいんだぞ。」
いいながら幸田先生は「ぎひひ」と笑う。
どうやらこの人もただものではない様子。
「先生はセキセイインコやサクラ文鳥が見えるんですよね。」
「ん?ペットを学校に連れて来るのはどうかと思うぞ。特にあんな小さな生き物は安全が確保出来ないだろう?」
「俺達なら大丈夫だぜ。」
キガラとキアラがパタパタと飛んで来たかと思うとポンっと小鬼の姿になった。
「ん?」
っと先生は一瞬たじろいだがすぐに腑に落ちたというようにニヤリと笑う。
「そうか、お前たちもか。お前たちにもいろいろ見えちゃうって事か。」
「先生も術者なの?」
ユキオが問う。
「いや俺は見えるだけ。ただ見えるだけだと霊や妖は調子にのってちょっかいを出してくるので護符のコピーぐらいは持っているぞ。」
「ドーラ。先生に術は使える?」
あきらがドーラに問いかける。
「問題ないのじゃ、術式と符があれば危害を避けることはできる。」
「元来、鬼も妖もいたずらが好きな程度じゃから恐れすぎないかぎりはほうっておいてもなんともないのじゃ。問題は霊じゃな。元が人間だけにタチが悪いのじゃ。」
「お前たちは学校の怪談を知っているか?」
「トイレの花子さんとか?でも本当にいるなら先生にも見えているんじゃないの?」
「今時の子供にはあんまり受けないって言って出て来るのを嫌がっているんだ。」
「僕らじゃ逆効果でしょう。除霊されると思われちゃうよ。」
「なんか元気づけてやりたいんだけど。」
「霊を元気づけるって変な先生。」