第45話 阿修羅(アスラ)2
文字数 1,029文字
「神仏も鬼も人間にとってはそんなに変わりばえは無い。魂の浄化システムの一部じゃ。」
ドーラは言う。
「ドーラは昔からなんでもうまいこと説明するよなー。」
アスラがカレーを食べながら言う。
なぜかみんな一緒に晩御飯を食べている。
よくそんなにたくさんのカレーやご飯がうちにあったな。
「冥界の魂浄化システムの劣化によるキャパシティの問題かの。」
ドーラが言う。
「いくら時間が無限にあると言っても一つ一つの魂を個別に選別して浄化するなんてもどかしいと思う者も多かろう。」
アスラはカレーのおかわりをする。
ありさがカレーのパックとご飯のパックを電子レンジに入れて「少し待ちなさい。」とか言っている。
「現世に問題があるかどうかは知らん。人間が何をするかには干渉するつもりはない。だが現世でも選別と浄化をするサブシステムを構築するつもりだ。」
「アスラ、モグモグしながら小難しい話をするなよ。」
「すでに予言されているミスラの再来、あるいは弥勒菩薩(マイタレイヤ)の降臨じゃな。」
「そうだ、弥勒(ミスラ)は巨大な魂の浄化システムだ。降臨すればたちまちこの現世の人間の半数は浄化されて浄仏する。」
「ふん、成仏ではなくて浄仏ってところが皮肉じゃの。」
「まあ謳い文句としては、おおいなる魂の救済ってわけじゃな。じゃが人間にとっては大きなお世話、おおいなる災いってところじゃ。」
「そして俺たち、鬼神や鬼、妖にとってはどさくさで美味しい思いをするチャンスってわけさ。なにしろ何の変化もない冥界で退屈してきたからな。あはは。」
「あははじゃないよ。人間としてはどうあってもそいつを阻止せんとなあ。」
なんだかユキオがやる気満々なんだが。
「また、ミチミツはすぐにそういう事に首を突っ込みたがる。」
「え?なんでだ?あきら。ミスラを放っておくのか?みんな死んじゃうんだぞ。」
「道満(ミチミツ)、わかっているのか?本来神仏の加護によって鬼や妖と戦う俺たちが神仏と戦うんだぞ。勝てると思うのか?」
なんだかあきらがおかしい。
視線が定まらないし声や口調も変だ。
「晴明(ハルアキ)か?晴明(ハルアキ)の声だし口調じゃないか?」
アスラが言う。
「そうじゃ、遺伝子の中に仕込まれていた晴明(ハルアキ)の魂が出てこようとしている。」
「人間は魂と魄をもつゆえに複雑だな。」
「ユキオもあきらにシンクロして来ているので言っている事が道満(ミチミツ)の性格に引っ張られているのじゃ。」
アスラがニヤリと笑う。
「面白いことになって来たぞ。」
ドーラは言う。
「ドーラは昔からなんでもうまいこと説明するよなー。」
アスラがカレーを食べながら言う。
なぜかみんな一緒に晩御飯を食べている。
よくそんなにたくさんのカレーやご飯がうちにあったな。
「冥界の魂浄化システムの劣化によるキャパシティの問題かの。」
ドーラが言う。
「いくら時間が無限にあると言っても一つ一つの魂を個別に選別して浄化するなんてもどかしいと思う者も多かろう。」
アスラはカレーのおかわりをする。
ありさがカレーのパックとご飯のパックを電子レンジに入れて「少し待ちなさい。」とか言っている。
「現世に問題があるかどうかは知らん。人間が何をするかには干渉するつもりはない。だが現世でも選別と浄化をするサブシステムを構築するつもりだ。」
「アスラ、モグモグしながら小難しい話をするなよ。」
「すでに予言されているミスラの再来、あるいは弥勒菩薩(マイタレイヤ)の降臨じゃな。」
「そうだ、弥勒(ミスラ)は巨大な魂の浄化システムだ。降臨すればたちまちこの現世の人間の半数は浄化されて浄仏する。」
「ふん、成仏ではなくて浄仏ってところが皮肉じゃの。」
「まあ謳い文句としては、おおいなる魂の救済ってわけじゃな。じゃが人間にとっては大きなお世話、おおいなる災いってところじゃ。」
「そして俺たち、鬼神や鬼、妖にとってはどさくさで美味しい思いをするチャンスってわけさ。なにしろ何の変化もない冥界で退屈してきたからな。あはは。」
「あははじゃないよ。人間としてはどうあってもそいつを阻止せんとなあ。」
なんだかユキオがやる気満々なんだが。
「また、ミチミツはすぐにそういう事に首を突っ込みたがる。」
「え?なんでだ?あきら。ミスラを放っておくのか?みんな死んじゃうんだぞ。」
「道満(ミチミツ)、わかっているのか?本来神仏の加護によって鬼や妖と戦う俺たちが神仏と戦うんだぞ。勝てると思うのか?」
なんだかあきらがおかしい。
視線が定まらないし声や口調も変だ。
「晴明(ハルアキ)か?晴明(ハルアキ)の声だし口調じゃないか?」
アスラが言う。
「そうじゃ、遺伝子の中に仕込まれていた晴明(ハルアキ)の魂が出てこようとしている。」
「人間は魂と魄をもつゆえに複雑だな。」
「ユキオもあきらにシンクロして来ているので言っている事が道満(ミチミツ)の性格に引っ張られているのじゃ。」
アスラがニヤリと笑う。
「面白いことになって来たぞ。」