第10話 式神
文字数 708文字
「色々密教や陰陽道関係の本があるじゃん。」
ユキオがうれしそうにあきらの部屋の本だなを見ている。
「叔父さんが古本屋をやっていて、手に入れてくれたんだ。」
ありさが麦茶を持って入ってくる。
「お、おじゃましています。」
ユキオが緊張して言う。
ありさは黙ったまま麦茶を置くとぺこっと頭を下げて部屋を出ていく。
「ユキオ、式神に挨拶してどうするんだよ。」
あきらが笑い転げていると襖の向こうで
「きゃははは。」
とありさも笑い転げている。
式神は使い主にシンクロするのだろうか。
「式神っていうのはわかっていても、きれいな女の子の形をしていたら緊張するじゃないか。」
「おまえは平気なのか。それに、別に人の形にしておかなくたっていいだろうに。」
ユキオは憮然として言う。
「何を式神として使っているかで大体形は決まってくるし、目的によっても変わるだろ。」
「ありさは主にホームキーパーとして働くんだから、いかつい兄ちゃんやネズミってわけにいかないじゃんか。」
といったとたんに襖が開いてネズミが煎餅をのせた皿を担いで2本足で入って来る。
ユキオが「うわっ」と言ってあとずさる。
「ありさ、からかうなよ。」
とあきらはそう言って煎餅をかじる。
皿を置いたネズミはさっと部屋を出て行くと、襖の向こうで
「きゃははは。」
と笑っている。
ユキオが顔を赤くして怒っている。
「ユキオ、怒るなよ。」
「式神っていうのは人をからかったりするものなのか。」
「まあ、元になってる精霊とか言霊だとかによるんだろうな。」
「ああ、それにしても今日のあれは、派手だったな、超常現象でこんなに派手なのはあんまり類がないだろう?」
ユキオはオカルトマニアとして、今日の出来事を喜んでいるように見える。
ユキオがうれしそうにあきらの部屋の本だなを見ている。
「叔父さんが古本屋をやっていて、手に入れてくれたんだ。」
ありさが麦茶を持って入ってくる。
「お、おじゃましています。」
ユキオが緊張して言う。
ありさは黙ったまま麦茶を置くとぺこっと頭を下げて部屋を出ていく。
「ユキオ、式神に挨拶してどうするんだよ。」
あきらが笑い転げていると襖の向こうで
「きゃははは。」
とありさも笑い転げている。
式神は使い主にシンクロするのだろうか。
「式神っていうのはわかっていても、きれいな女の子の形をしていたら緊張するじゃないか。」
「おまえは平気なのか。それに、別に人の形にしておかなくたっていいだろうに。」
ユキオは憮然として言う。
「何を式神として使っているかで大体形は決まってくるし、目的によっても変わるだろ。」
「ありさは主にホームキーパーとして働くんだから、いかつい兄ちゃんやネズミってわけにいかないじゃんか。」
といったとたんに襖が開いてネズミが煎餅をのせた皿を担いで2本足で入って来る。
ユキオが「うわっ」と言ってあとずさる。
「ありさ、からかうなよ。」
とあきらはそう言って煎餅をかじる。
皿を置いたネズミはさっと部屋を出て行くと、襖の向こうで
「きゃははは。」
と笑っている。
ユキオが顔を赤くして怒っている。
「ユキオ、怒るなよ。」
「式神っていうのは人をからかったりするものなのか。」
「まあ、元になってる精霊とか言霊だとかによるんだろうな。」
「ああ、それにしても今日のあれは、派手だったな、超常現象でこんなに派手なのはあんまり類がないだろう?」
ユキオはオカルトマニアとして、今日の出来事を喜んでいるように見える。