第6話  こっくりさん2

文字数 674文字

「こっくりさんこっくりさん、あなたはこっくりさんですか?」

10円玉は50音のかなが書かれた紙面を動いては少し止まりながら答えを示していく。

「そ」
「う」
「だ」

ところが優子は何を思ったのか

「こっくりさん、こっくりさん。あなたはだあれ。」

と聞き始めた。

「あれ、やめさせないとあぶないのじゃ。」

ドーラが言う。

こっくりさんにその存在を問うのは禁忌だ。

「いつの間について来た?学校に来ちゃダメだろう。」

「キャラが有名アニメのキャラクターと被るからか?角は隠して来たぞ。」

「いや、そう言う問題じゃなくて。」

「サキは学校に行ったし、ありさはお主の背中に形代(かたしろ)になってくっついているし、わし一人で留守番は嫌じゃ。」

おまえは子どもか?鬼なのにいろいろがっかりだ。


真美の背筋を悪寒のようなものが走る。

紀子が脅えたような目をして真美を見る。

3人が右手人差し指をのせた10円玉は急に紙の上をぐるぐる回り始める。

それはどんどん早くなって指を乗せていられなくなる。

こっくりさんの最中に霊媒になる10円玉などから指をはなすといろいろな霊障が起こると言われる。

3人は必死で10円玉の動きについていこうとする。

ところが10円玉はまるで逃げ出すように3人の指の下から弾け飛んで床に落ちる。

「あっ。」

と3人は同時に声を上げる。

あきらの髪の毛が静電気を帯びたようになって逆立つ。

「よせ。」

と言いながら振り返ると、女子が3人ほど集まった机の上にあった紙が急に燃えあがるのが目に入る。

ユキオが教室にいる生徒達に

「伏せろ。」

と注意を促す。

3人の女子は弾かれるように放射状になぎ倒される。
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