第19話 十九、足柄の麓十月の紅葉  

文字数 175文字

 我家は、足柄といった山の麓にあり、暗がり渡った木立のように、木が繁れる所である。十月に色づく紅葉は、四方の山辺よりも一段おもしろく、錦を引くような趣のあるところである。他所より来た人が、「今、ここまで参ってくる道すがら、紅葉がとても素晴らしい所がありましした」というので、ふと、  
  「いづこにも劣らじ物をわが宿の世を秋はつるけしばかりは」
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