第80話 八十、闇にくれたる姥捨に

文字数 167文字

 甥たちなど、一ヵ所の家に住み、朝夕顔を合わせていたのだが、こういう哀れで悲しいことの後は、別々の所に住むようになった。誰とも会うことが無かった。ところが、非常に暗い夜のこと、兄弟のうち六番目の甥が尋ねて来てくれた。珍しく思われて、
  「月も出でで闇にくれたる姥捨になにとて今宵たづね来つらむ」
と、そんなことを口にだしてしまった。
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