第92話 清少納言の素晴らしき描写

文字数 389文字

 更級日記の作者は、源氏物語にあこがれ、青春時代に小説に憧れ、没頭したようである。若い人は恋愛小説を好むのは分かる気がする。大人になり、夢のような恋物語は、世の常ではないと思ったのか、仏教に思いを巡らすことが多かったようだ。
 当時、清少納言の枕草子も発行されて、貴族の間で読まれていただろうと推測する。更級日記には枕草子についての記載はない。三大随筆の一つといわれるが、徒然草は大人の出家した法師様の随筆である。人生を経験した大人には、納得できるエッセイであると思う。
 枕草子は中宮定子と清少納言の宮中での出来事を随筆として書いている。絢爛豪華な平安時代を、見事にいきいきと再現した描写は、さすが三大随筆の筆頭ではないかという思いがする。まだ九十段ほどしか読んでいないが、大人の味わいある内容は、比類出来ないほど素晴らしい。繰り返し、繰り返し、各段を読んで理解を深めたいと思う。
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