Folge 64 デレ次女
文字数 1,460文字
なんだか分からない厄をシャワーで流した。
すっきり。
せっかく良い期末を迎えたというのに酷い事の連発だったな。
裕二にテストは圧勝。
支援を受けつつも無事にいつも通りを維持できた。
別に勝負のつもりなんて無かったのに。
オレが授業をまともに受けていないと気付いた裕二。
テストで勝てると思ってしまったか。
気の迷いというやつだな。
裕二君、誰しもがやりがちなことだから気にするな。
日頃からオレに勝ちたかったんだよな。
何を負けていたんだろ。
妹のことはシスコンだと散々言われている。
美乃咲姉妹との関係は……オレからアクション起こしたわけじゃないし。
突かれてもなあ。
テストは先生が授業中にどこが出るか言うし。
そこを中心に見直しているだけ。
あいつも同じことをすれば点は取れるはずだから。
バスタオルで髪の毛をくしゃくしゃ。
吸水力をアップした繊維とやらがサラサラとした髪の毛に戻す。
首から下を拭こうと頭からタオルを下ろした。
目の前にはとても可愛い女の子が。
ニコニコ。
クスクス。
なんという平和な微笑み。
可愛いんだってば。
手を後ろに組んで、ウリウリモゾモゾ。
左右に揺れながら照れている。
Tシャツにショートパンツというルームウェア。
助かる。
ノースリーブだと尚更良かったかな。
前はツィスカがこのモードだったな。
今回の甘えモードはカルラか。
いつも家事全般の過半数をやってくれている子。
加えて全員の癒しも担当。
甘えたくなる時もあるよな。
両脚をピンと伸ばして揺れたまま。
構ってアピール過ぎる。
これは新種の愛玩動物ですか?
いくらでも構ってあげるよ。
気持ちはありがたいんだけど、どこかズレている気がするんだよな。
凄い仕事をこなしているみたいだし、良い環境を作ってくれている。
たぶん、良い親なんだろうな。
でもね、普段合いも話しもしない人たちって扱いになってきていてさ。
良いか悪いか。
どっちに捉えるかは問われると答えられないのが本音。
そろそろ顔見せても良くないか?
最近は電話すら無いな。
腰にゴムがパチンと当たる。
服を着たようだ。
タオルに顔を埋めだした。
よく分からない説得が始まってしまった。
なんだこれ。
ははぁん。
要するに構えということね。
やれやれ。
いつも構っているけど、カルラをメインにしますか。
同時にオレも癒してもらえるから一石二鳥!