Folge 22 雷のいじわる
文字数 2,322文字
さて。
今日の夜のお相手はカルラ嬢です。
なんかピンクな世界になっちゃうな。
いつも通り。
いっしょに寝るのがカルラの番、ということ。
すでにベッドに入っている。
でも、カーテン越しに強烈な光が部屋に入り込んで来る。
お色気攻撃ではなく、本気で抱き着いてくる。
いや、他に何かできたことなどないけれど。
何が起きているのか。
言うまでもなく、カミナリ。
なんだか情けないセリフだ。
雷の轟音にかき消されていたのだろうか。
音の隙間を突いてドアのノック音が聞こえた。
確かに聞こえたノック音の主を確かめてみた。
ドアが開いて枕を抱えたツィスカが立っていた。
あらあら、半べそになっちゃって。
小さい頃から妹二人はカミナリが苦手。
らし過ぎて笑えてくるぐらい。
そこが可愛いんだけど。
オレに顔を埋めたまま喋る。
双子にしか分からない同じ感覚の共有。
ツツツツっと寄って来る。
抱えていた枕は床に置きながら上手にベッドに入った。
普段何度もオレが寝ている間に入り込んでいるのが分かる動きだ。
それヤバイって。
脚を絡めるのは心地良いけど、ハザードエリアは別物だ。
バレたか?
カルラはゆっくりとハザードエリアを足で撫でてきた。
ツィスカが背中をよじ登ってカルラを覗き込んだ。
少し間が空いたけど、ツィスカは気づいたようだ。
ヤバイな。
カルラがオレの腕を封じてツィスカが脚を開かせる。
ったく、何を思いつくんだか。
二人が交互に脚で撫でてくる。
容赦ねえ。
男であるオレの身にもなってくれよ~。
ったく!
絶対絶対こいつら殺す気だ!
脱出しないとスイッチが入ってしまう。
腕を抑えているカルラの耳をカプッと甘噛みしてやった。
一瞬力が抜けたところで腕を外す。
次は寝返ってツィスカに抱き着く。
そのままベッドを降りてツィスカを床に寝かせる。
動きを止めるため、首筋を舐め上げてキスをした。
よし、これで脱出できる!
オレはそのまま部屋を出て一階へと降りた。
もう、喉がカラカラ。
とりあえず開いているミックスジュースを飲む。
タケルは一階にいたようだ。
ゴクゴクと飲み干してから訳を話す。
酷いというかなんというか。
なんだかタケルの奴、ニヤついているな。
片膝を抱えてブラブラとさせるタケル。
その言葉を吐いた時、背後に気配を感じた。
カルラが首に抱き着いてきた。
しまった~、本音を聞かれてしまった。
ツィスカは前から抱き着いてくる。
また始まった。
それを言ったら身も蓋もないだろ!
結局妹に部屋へ連れ戻されて、あれやこれや夜通しされて……。
カミナリの恐怖はどこへ置いてきたんだ?
――――朝は何キロ痩せているのかな。