Folge 65 取り合う価値ある?
文字数 2,155文字
リビングの床でゴロゴロと転げ回っている二人。
楽しそう。
まだ美乃咲姉妹との話しが続いていたツィスカが説明する。
うちの兄弟姉妹について。
これは分からないことが多いよな。
兄ですら弟妹の事を全ては知らない。
誰でもそうだろうけどさ。
全て分からないのが人だし、だから面白い。
もちろんオレも分かっちゃいるけどさ。
つい構う気満々になっていたから拍子抜け。
トボトボと飲み物を取りに冷蔵庫へ。
少しでも使えそうなネタは透かさず活用してくるんだな。
感心するよ。
咲乃の突進って止める方法無いのかな。
今では止まって欲しくない自分がいるけども。
綺麗な子が甘えて来るって、いいよね。
男子の前では言えない言葉だ。
明日が拝めなくなっちまう。
ミックスジュースがガラスコップから零れた。
飲もうとしている所で抱き着くなよ。
とりあえず動くのはツィスカで慣れちゃいるけどさ。
その後に起こる事故は勘弁願いたい。
飲み物をゆっくり飲むぐらいさせてくれよ。
仕方ないから咲乃にラッコ抱きさせてあげた。
あ、これ気分良いな。
ジュースもいつもより美味しく感じる。
悪くない。
美咲との話に没頭しているかと思っていたが。
こちらの話も耳に入っているのか。
この手の話には反応が早い。
ほっぺたスリスリして、耳を左右交互にピトっと付けたり。
こいつ、人の話聞いていない。
何これ。
四人の脚が好きなんだけど。
自分のしか許さないのか。
困ったなあ。
ついツィスカに目をやってしまった。
そのツィスカも、咲乃の言葉に反応していたみたい。
ちょっと待て。
これはオレが恥ずかしい展開ではないだろうか。
脚フェチが公開処刑を受けているだけにしか思えん。
ツィスカが唸り出しちゃった。
なんだかこの展開久しぶりだな。
咲乃って美咲の妹だなと思うことがある。
天然なところがたまに出るよな。
ツィスカを怒らせるとマズイの知っているくせに弄るんだ。
オレの事なのに決定権があるのはツィスカってのがいつも分からん。
勝手に決めると怒られることすらあるもんな。
頼むから本人を抜きに話を進めないでくれないかな。
と言っても聞いてもらえないし。
こんなオレを取り合って、この子たちって変わっているな。