Folge 58 付け合わせ、待機
文字数 2,023文字
思いっきり欠伸をしながら伸びをする美咲。
人に教えるのって疲れるもんな。
自分の勉強もしながらだし。
欠伸と共に出た涙を浮かべている。
いよいよ疲れが酷くなってきたようだ。
申し訳ない。
急に振り向いた所為で背筋が痛んだぞ。
背中を摩りながら答えてやる。
思わず美咲を見た。
我慢、していたのか。
そういえば、スキンシップは咲乃とだけだ。
なんだろ。
逆に心配してしまう自分がいる。
我慢と言っている時点でどうかとも思うけどね。
でも美咲ってこの前の時以外は何もしてこないんだよな。
スキンシップにあまり興味が無いのかな。
付き合ってもいないからそれが普通か。
話し声が聞こえているとかさ、もうちょっと気にしないのかな。
丸聞こえじゃないか。
この時期にサンドウィッチか。
あせもができなきゃいいけど。
こじつけが酷いな。
それだけ好かれているのはありがたい気持ちしか無いよ。
でもそんなにいい男じゃないのだが。
妹にはどうであれ好かれていたいんだけどさ。
この二人に好かれるのは未だに理解できないでいる。
咲乃が大きな声で答えた。
姉はクスクス笑っているよ。
この二人、仲いいよな。
なんだかんだ言いつつ分かり合っているから、見ていて微笑ましい。
妹二人の温度差が激しい。
出来の差というのか。
こんなことを思っている今、すでにツィスカが抱き着いている。
カルラは丁寧に挨拶しているというのにな。
いやだからさ。
ああもう、いいや。
軽くゲンコツを脳天に当てた。
自信あり過ぎ。
……可愛いけど。
もう言葉が通じない。
そういう子だけども。
はあ。
可愛い。
次女がしっとりと抱き着いてくる。
この子は癒しオーラが半端ないんだよ。
助かる。
気づくと頭を撫でてあげている。
わかっちゃうんだよな、こいつには。
いや、オレが分かりやすいだけという説もある。
諸説あるのだ。
諸説ね。
ツィスカに聞こえないように囁いておいた。
次女にこっそりサービス。
昼ドラかな。
ついそんなことを思ったりして。
それでは久しぶりにサンドウィッチで寝ようかな。
妹とハグをすると落ち着くから、一気に力が抜けて凄い眠気だ。
もうこのまま夢の中へ行きたい。
それでは皆様、幸せのサンドウィッチタイムを堪能してきます。
おやすみなさい。
――――途中で付け合わせが増えるはず。