Folge 99 あたふた
文字数 1,799文字
カルラはカルラらしくて頷ける。
タケルもまあ、末っ子らしい可愛らしさが感じられる。
……ツィスカよ。
らしいと言えばらしいけれども。
余所行きの恰好をするだけじゃないか。
……ま、まあ無くはない。
いや、そうじゃなくて。
……何で正解するのかな。
やっぱり思っていることがザルなのか!?
目を見開き、口もぱぁっと開いて歯が見えてくる。
髪の毛まで広がっているような錯覚さえ感じさせながら。
おいおい。
可愛いだけで全てを押し通す気か?
カルラが後の言葉を目で伝えてきた。
いつも通りで問題は無いよ、確かにね。
保護者代理として、ここまでの成果を見せたいというか。
弟妹の成長に加えて自分も認めてもらいたいって所もあってだな。
さくみさがクスクス笑いながらこちらのやりとりを見ていた。
そして、美咲から提案をされる。
爆発……。
炸裂と言ってもいい程だね。
あれ?
照れているな、オレ。
照れるということは、相手のことが好きだってことだよね。
好きだけど、照れた気がしなかったのに。
あれあれ?
とある奴を思い出すし、元々好きじゃない。
許されました。
いや、悪いこと一つもしていないよね!?
だめだ。
これはツィスカの戦略に乗せられている。
修正しよう。
あふん。
気合を入れて修正しようとしたら遮られた。
行き場を失った気合が変な声と共に息として漏れる。
スッキリしないじゃないか。
また見透かされている!?
オレの周りには見透かすスキル持ちばかり集まるのか?
弟妹が立派か。
言われる通りなら、気にし過ぎているのかもな。
さくみさから見て立派だと言ってもらえるのなら尚更。
ひえええええ!
そんなこと言われたの初めてだよ。
み、未来のかれひさん……。
脳内で噛んじゃったじゃないか。
妙に照れるな、それ。
彼氏かあ。
そして彼女。
その辺をスッキリさせたいんだよね。
――――確かにオレが一番慌てているな、こりゃ。