Folge 15 双子女子会
文字数 3,472文字
開催されております、双子女子会。
タケルはそれなりに観戦したら寝るよ、だってさ。
家に他人を泊まらせ、強制的に客人と食事をさせられるなど。
タケルには迷惑をかけてしまっているな。
話が落ち着いてからのタケルリクエストが怖いな。
穏便な話どころか初っ端からこの言い合いが始まっています。
咲乃は周りから固めるとかなんとか言っていた。
いや、固めるどころか城壁を崩しにかかっているじゃないか。
将来について話を振られると中学生にはまだ考えが及ばないか。
咲乃の言う通りではある。
高一のオレでもそこまでのことを真剣に考えたことはあまりない。
将来というと、親が傍にいる時間が少なくなる。
弟妹をオレが支えることで巣立ってくれたらって思っていたぐらいだ。
それも随分と漠然としたものだ。
同級生でこの辺のことを出してくるとは。
オレがこの歳にしては甘すぎるのか。
美乃咲家の育ちの良さなのか、判断がつかない。
妹たちも本気でウチの関係を守ろうと抵抗していた。
だからツィスカなんて既にぐったりしている。
次から次へと思いつく子だなあ。
咲乃、これで本当に不登校な子なの!?
見た目だって美咲と一緒だから綺麗だ。
何かと困りそうに無い気はするんだけど。
ん?
話し方が――――
気づけばウチの妹はツィスカが眠ってしまった。
それを支えているカルラもうとうとし始めていた。
オレはすっかり寝入ってしまったツィスカをお姫様抱っこして……。
ああお姫様抱っこ。
妹たちはオレからすると随分軽いから簡単にこれが出来てしまう。
なのでこういう時の定番スタイルになっている。
このスタイルで部屋まで運んであげた。
妹には好評です。
何度か狸寝入りでやらされた記憶が……。
カルラも寝る準備を済ませて部屋に来た。
これでオレも寝るだけなんだけど――
美乃咲姉妹をどこで寝かすのか考えていなかった。
まあオレの部屋を使ってもらってオレは妹と一緒に寝るか。
興味が無いと言えば嘘になる。
けれど、一緒に寝るってのは問題あるよね。
いや、誰も言わなければ一緒に寝たことにはならないのか?
いやいや、また妄想してしまった。
男はすぐに妄想と現実を見失う。
オレは負けないぞ!
二人は手を逆手にして両手を腰に当てる。
流石双子と言わんばかりのポーズを同時にとった。
なんというセリフを吐くんだか。
脳内で完結しておいて欲しいことを本人に伝える。
この習性はなんとかならないのか。
何をするのか予告しているわけで。
さぞかし自身があるんだろうな。
標的のオレが言うのも何だけど。
二人そろっての挨拶を聞いてホッとしながら妹たちの部屋へ向かった。
部屋に入ると二人共ツィスカのベッドで寝ている。
カルラはツィスカの頭を撫でているうちに寝てしまったようだ。
カルラのベッドが空いているが、そこは寂しがり屋の兄ちゃんなので。
当然妹二人のベッドへ侵入。
くっついている二人を纏めて抱え、そのまま寝る。
もうね、即寝ですよ。
なんだか必要以上に疲れた気がする。
平和な日常はどこへ。
目線を替えれば平和そのものなんだよね。