合コンの神様との対話

文字数 760文字

合コンの神様との対話

「素敵じゃないか」
「えっ、俺ですか」
「うん、素敵じゃないか」
「俺は最低ですよ」
「何が?」
「うーん、付き合っている英子をだまして、里奈ちゃんとキスをしまくって」
「でも、ばれていなんでしょ?」
「里奈ちゃんには言ったんです。てか、ばれちゃいました」
「それでも会ってキスをしてくれるんだよね」
「はい」
「すごいじゃん」
「すごいですか?」
「すごいよ。でも、嘘でもいいから里奈ちゃんっていう娘には、付き合おうっていうんだ」
「え、なんでですか。良心がいたみます」
「俺こそ、えっ、だよ。お前を中心にするな」
合コンの神様の神様から初めてお前と言われて、少し認められた気がしてうれしかった。
「恋愛、女の娘との関係、全ては女性の立場を考えて発声して、行動に移すこと」
「でも、むずかしくないですか」
「今のお前の状況で、一番傷つきながらお前とリレーションをとっているのは誰だ」
「里奈ちゃん」
「そうだろ。まずはその娘を安心させるんだ」
「そうですね」
「二人の女性を好きになることが罪なら、世の中成り立たないよね」
「えっ、それって世の中の常識、歴史と相反するんじゃないですか」
「じゃあ、こう考えよう。君が英子ちゃんと結婚して、二人の子供を産んだとする。その時、君と君との子供を産んだ英子ちゃんは罪を犯したのか?」
「そんなはずはないですよ。彼女は罪とは正反対で罪を犯すどころか女性として、すごく愛情深い人だと思います」
「だろ、そうだよね」
「当たり前じゃないですか」俺は結構向きになって、語気を強めにそう言った。
「じゃあ、英子ちゃんの愛情は、お前に対するものとお子さん二人に対する愛情は同じ種類で同じ深さか?」
「それは違いますよ」俺はまたも語気を強めてそう言った。

おしまい
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登場人物紹介

篠崎修三・・・20歳で初めて出来た彼女がクリスチャンだった。

佐藤英子・・・修三の彼女。3年前にクリスチャンになった。ちなみに修三とは保育園の時の同級生

上田基一・・・修三と同じ大学で同級生の友達。両親がクリスチャンで、小学校に入る前から教会に通い14歳の時に洗礼を受けてクリスチャンとなる。高校に入ったころから、高校3年生あたりから教会生活やクリスチャンに疑問を抱くようになり、大学に入学してから間もなく教会を離れる。現在は彼女、飲み会など遊ぶことが楽しく、教会を離れて良かったと思っている。

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