弱い時に強さを私に下さる我が主イエス

文字数 410文字

英子と抱き合った後、英子から体を離した。英子を見ると、俯きながら恥ずかしそうにしていて、口元は笑みを浮かべていた。好きなもの同士が抱き合っているのに、キスもしない強さはどこからくるのか不思議でならなかった。
英子の唇は、俺に触れていないからなのか、そういう口紅なのか、キラキラと輝いていた。

「修三君、就職活動始めた?」
英子は、こんなに素敵な時に、くそつまんない話題を俺に振った。女って現実的って聞いたことがあるけれど、英子も例外ではないみたいだ。
「始めるか、就活、はあー」俺がそうため息をつくと、
「私、教会で奉仕しようと思うの、フルタイムで」
「えっ、」俺は語気を強めにそう言って、英子を責めた。
「ただでさえ、クリスチャンと付き合っている俺と、英子とでは根っこの価値観、信仰あるなしで埋まっていないのに、英子が一般企業に勤めないで、フルで教会で働くなんて、俺との関係は気薄になるのは目に見えてんじゃないか」
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登場人物紹介

篠崎修三・・・20歳で初めて出来た彼女がクリスチャンだった。

佐藤英子・・・修三の彼女。3年前にクリスチャンになった。ちなみに修三とは保育園の時の同級生

上田基一・・・修三と同じ大学で同級生の友達。両親がクリスチャンで、小学校に入る前から教会に通い14歳の時に洗礼を受けてクリスチャンとなる。高校に入ったころから、高校3年生あたりから教会生活やクリスチャンに疑問を抱くようになり、大学に入学してから間もなく教会を離れる。現在は彼女、飲み会など遊ぶことが楽しく、教会を離れて良かったと思っている。

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