Ｗｏｗ！！

Wow！！

里奈ちゃんと一緒に喫煙室からカラオケの部屋に戻ると、上田が、
「よ、男、修三！！」と言ったから、マジでムカついて目も合わせなかったら、荒木先輩が
「修三君、さっきマジで面白かった。男として尊敬するよ。真面目に格好よかった。あれ、才能だよ。今度また一緒に飲みに行こうよ。てかマジでついてきてくれよ」合コンの神様に褒められるだけでなく、神様からの召命まで受けて、恐縮した。
里奈ちゃんと三奈ちゃんは恋愛系の歌を熱唱している間、荒木先輩と明美ちゃんがずっと話をしていることに気づいた。上田とは話したくないから、二人が歌っている時は、適当に手拍子をしながら、荒木先輩と明美ちゃんを見ていた。荒木先輩はずっと頷きながら、明美ちゃんの話を聞いていた。その目は本気で明美ちゃんを見つめていた。上田が暇を持て余したのか、おそらくタバコを吸いに部屋を出た。
その時、
「泣いた！！」俺は心の中でそう絶叫した。明美ちゃんが両手で顔を覆って泣き始めた。荒木先輩はその間、ずっと明美ちゃんを見つめていて、一言も喋らなかった。里奈ちゃんと三奈ちゃんは、二人を見てひそひそ話をしながら羨ましそうににんまりと笑っていた。
そんなとき、上田が戻ってきて、明美ちゃんが泣いているのを見て、アホ面をして、「ワオ！！」と言わんば明かりに、驚いていた。こいつには、本当に友情を感じた。合コンの神様の御業を見た瞬間だった。

おしまい