つんつん

文字数 1,405文字

そのように、信仰は聞くことから始まり、聞くことは、キリストについてのみことばによるのです。(ローマ人への手紙 10:17)...

「あんちゃん、また背が伸びたんじゃねーか」夏目おじいちゃんは、
今回もそう言って、俺は会釈をした。今日は英子と久しぶりの教会
。英子は俺が教会にくると凄く嬉しいそうにする。英子はたぶん胸は大きくないと思う。でも、そんなことどうでもいいそう思っているうちに、夏目おじいちゃんは、英子に
「もうボンキュッボンの先生はこないのか」直美先生をそう称して、
「うん、アメリカに帰ったからとうぶん来ないと思うよ」英子がそう言うと、夏目おじいちゃんはしょぼんとした。
「俺も20歳若かったらな」といやーそういうことじゃないだろう。そうこうするうちに、讃美歌をみんな歌い、礼拝が始まった。なぜ、讃美歌を歌う時、みんな立つのか。俺はその光景を見て、気持ち悪って思って、座りながら足を組んで座って反抗していたら、自分の足の短さにへこんだ。

牧師の田原先生のメッセージを久しぶりに聞いた。「自分の信仰に不信仰になってみよう」というタイトルは刺激だった。
「みなさん、今日のタイトルを見て、私のことを大丈夫かと思ったかたが多くいると思います。でも、信仰生活が長ければ長いほど、経験がある分、こう働く、これは神様のものでないサタンの仕業だと敏感になる。これは当たっているところもあるけれども、外れている場合もある。私たちは神様の一部どころかからし種ほどもしらない。今までの神様像は実は自分にとって都合の良い時をや、嫌いな人がうまくいかなくなることを御心といい、逆のことをサタンの仕業と信じているかもしれない。実は私もそういう弱さがある。だから、みなさん、一度の自分の信仰に対して不信仰になってみませんか。心配しなくて、大丈夫。神様は聖書によって、みなさんの、私の信仰を矯正してくださる。みなさんは信仰がある。だけれども、一度聖霊様によって書かれた神様の御言葉を読んで、信仰を矯正していただきましょう。」先生はそう言った後、祝禱の祈りをした。この先生のメッセージは面白い、本気でそう思った。

「英子、田原先生のメッセージって面白いね。少し好きだわ」少しじゃない、マジで面白いと思う。俺がそういうと、英子は嬉しそうな顔をした。英子が喜んでくれるなら俺も洗礼を受けようか、ちょっと考えた。
「英子、英子、つんつん」俺は英子の右の頬を人差し指でつんつんと突っついた。俺は同じことを3回した。
「君はさ、」英子は初めて俺のことを君といった。新鮮でうれしかった。
「なんだい、自称敬虔なクリチャン」俺はわざとそう言った。
「君は、修三君はさ、私を馬鹿にしているんだろう」英子がそういうと、俺は英子の右の頬をつつきまくった。
「英子、つんつんつんつん」英子の右の頬を連打してと突っついた。何回つついたか、わからない。
「英子、うしろから、ひじをこうやって、首をしめていい」
「、、、いいよ、修三君、バカじゃないの」俺は、腕だけ羽交い絞めするような恰好で英子の首を軽く締めた。
「殺す気か」英子は冗談で言ったのはわかったけれど、俺は手を緩めた。
「その、こういうのはいいのか、英子殿」
「いいよ」英子ははっきりとそう言った。
「英子、英子、聞こえている?」
「聞こえているよ。」少し警戒している声だった。

おしまい
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登場人物紹介

篠崎修三・・・20歳で初めて出来た彼女がクリスチャンだった。

佐藤英子・・・修三の彼女。3年前にクリスチャンになった。ちなみに修三とは保育園の時の同級生

上田基一・・・修三と同じ大学で同級生の友達。両親がクリスチャンで、小学校に入る前から教会に通い14歳の時に洗礼を受けてクリスチャンとなる。高校に入ったころから、高校3年生あたりから教会生活やクリスチャンに疑問を抱くようになり、大学に入学してから間もなく教会を離れる。現在は彼女、飲み会など遊ぶことが楽しく、教会を離れて良かったと思っている。

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