英子の死

文字数 444文字

人をさばくな。自分がさばかれないためである。あなたがたがさばくそのさばきで、自分もさばかれ、あなたがたの量るそのはかりで、自分にも量り与えられるであろう。なぜ、兄弟の目にあるちりを見ながら、自分の目にある梁(はり)を認めないのか。

(マタイ7:1-5)

2019年の年が明けた、14日に田原先生から教会に呼び出された。英子が自宅で手首を切って死んだことを伝えられた。俺が他の女と関係を持っていること、フィンランド宣教のために宣教師との結婚を田原先生が薦めいたこと、俺と結婚しても離婚することしか浮かばないこと、俺を自由にしてあげたいことを田原先生に相談していたことを伝えられた。俺は先生との間にある小さな机を蹴飛ばした。何も抵抗せずに横になって倒れた机は英子に見えて、その後も机を色んな角度から蹴飛ばした。先生は神妙な面持ちで俺を見つめていた。

もう教会には来ないこと、俺と一切連絡を取らないことを一方的に伝え、教会を去った。死んで、天国に行くなら、葬式に出る必要はないと思った。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

篠崎修三・・・20歳で初めて出来た彼女がクリスチャンだった。

佐藤英子・・・修三の彼女。3年前にクリスチャンになった。ちなみに修三とは保育園の時の同級生

上田基一・・・修三と同じ大学で同級生の友達。両親がクリスチャンで、小学校に入る前から教会に通い14歳の時に洗礼を受けてクリスチャンとなる。高校に入ったころから、高校3年生あたりから教会生活やクリスチャンに疑問を抱くようになり、大学に入学してから間もなく教会を離れる。現在は彼女、飲み会など遊ぶことが楽しく、教会を離れて良かったと思っている。

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み