英子にも怒られる

文字数 700文字

もし、私たちが自分の罪を言い表わすなら、 神は真実で正しい方ですから、その罪を赦し、 すべての悪から私たちをきよめてくださいます。
ヨハネの手紙 第一:1・9
 
「はあー」里奈ちゃんにビンタされて、泣かれたその日の夜に、俺は上田を府中駅の駅前のベンチで待ち合わせをした。すぐに駆けつけてくれた上田の友情に感謝した。
「はあー」
「おい、修三、もうため息、8回目だぞ」
「はあー」
「おい、君、聞いているのかね」
「はあー、あと5回」
「何があと5回だよ、馬鹿野郎。もうばれてしまったことは仕方ねーだろ」
「はあー」その後も俺はため息を続けた。
「20回目突破」上田がその言葉を発した瞬間、ラインが鳴った。
「おーやべー、英子からだ」俺は情けない声と表情でそう言ってから、ラインの電話に出た。
「修三君、今日何回ラインしても返事くれな臭いし、今どこにいるの?」
「今、上田と府中駅の駅前のベンチにいるよ。今日はごめんなさい」
「んっ、何か怪しい臭いがする」なんでわかるの、口にはしなかったけれど、俺は女が怖くてしかたないことを今日身をもって学んだ。
「今、本当に上田君といるの?」
「本当だよ、代わろうか」俺は上田を見て、そう言った。上田はすぐに俺の携帯を奪って、
「あんた誰?私の修三君の何なの?」上田はわざと女っぽい声でそう言った後、
「あ、もしもし今の僕、上田です。すみません。今二人で将来のことを語りあっていました」上田はそう切り返して、俺に代わった。英子はめっちゃ切れていて、急に泣き始めた。泣くのが収まるまで、30分を要した。女を敵に回すと、マジ怖い。きづけば足が震えていた。

おしまい
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登場人物紹介

篠崎修三・・・20歳で初めて出来た彼女がクリスチャンだった。

佐藤英子・・・修三の彼女。3年前にクリスチャンになった。ちなみに修三とは保育園の時の同級生

上田基一・・・修三と同じ大学で同級生の友達。両親がクリスチャンで、小学校に入る前から教会に通い14歳の時に洗礼を受けてクリスチャンとなる。高校に入ったころから、高校3年生あたりから教会生活やクリスチャンに疑問を抱くようになり、大学に入学してから間もなく教会を離れる。現在は彼女、飲み会など遊ぶことが楽しく、教会を離れて良かったと思っている。

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