聖書にはタバコのことは書いていない

文字数 811文字

「わたしの神は,御自分の栄光の富に応じて,キリスト・イエスによって,
あなたがたに必要なものをすべて満たしてくださいます。」
(ビリピ4:19)

教会の喫煙所を作った田原先生のナイスな決断の代償なのか、教会は大変なことになった。
西川おばあちゃんが、たばこなんて汚らしいと、教会を出てしまったらしい。
「西川おばあちゃんは、ジーザス教会の設立当初から奉仕して、功労者なの。そして、7年前にお亡くなりになった資産家のご主人のから受け継いだ財産で、教会の建物の購入や家賃とか当初だけじゃなくても、今だってお金や奉仕のことで、本当に教会を支えてきてくれたの。」
英子は残念そうにそう言った。
「やっぱり、教会に喫煙所ってことがどうしてもゆるせなかったのか。聖書でも禁止されているの?」俺は酒もタバコ、エッチ、聖書はストイックな書物だと思っている。
「それが、具体的にタバコはだめって書いていないの」英子はそう言って、
「え、そうなの。だったらいいじゃん」俺はかなり驚いた。
「うーん、私もわからないの。私たちの体は聖霊の宮ですと書いてあるから、タバコは健康によくないからタバコを否定的にみるクリスチャンが多いんじゃないんじゃないのかな。」英子もどうにもしっくりこない顔をしながらそう答えた。
「今度田原先生に聞いてみよう。修三君も一緒にいてくれる?」
「うん、俺も興味があるし。というか、酒もエッチもだめで、タバコもだめじゃ、誰もこないよ、特に男は。俺は英子が彼女だから、なんとか教会にために来るし、英子を悲しませたくないから、なんとか我慢しているけれど、俺は絶対に教会を薦めない。だって窮屈だよ」
「ごめんなさい、修三君にはつらいことばかりさせてしまって」英子は悲しい声でそう言った。
「英子、俺は英子が好きだから、たぶん大丈夫、だと思う、うん、そうだな」
「なんかブツブツ言っているけれど、嬉しい、ありがとう」

おしまい
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登場人物紹介

篠崎修三・・・20歳で初めて出来た彼女がクリスチャンだった。

佐藤英子・・・修三の彼女。3年前にクリスチャンになった。ちなみに修三とは保育園の時の同級生

上田基一・・・修三と同じ大学で同級生の友達。両親がクリスチャンで、小学校に入る前から教会に通い14歳の時に洗礼を受けてクリスチャンとなる。高校に入ったころから、高校3年生あたりから教会生活やクリスチャンに疑問を抱くようになり、大学に入学してから間もなく教会を離れる。現在は彼女、飲み会など遊ぶことが楽しく、教会を離れて良かったと思っている。

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