怒り

文字数 1,060文字

「どくろ」と呼ばれている所に来ると、そこで彼らは、イエスと犯罪人とを十字架につけた。犯罪人のひとりは右に、ひとりは左に。そのとき、イエスはこう言われた。「父よ。彼らをお赦しください。彼らは、何をしているのか自分でわからないのです。」(ルカ23:33〜34)

カラオケが終わり、俺らは帰ろうとしたら、荒木先輩が、
「ちょっと明美ちゃんが困っていることがあって、少し話さなければいけないから、わりーけれど、ここで。幹事をしてくれた上田、お疲れ様、ありがとうな。修三君、最高だった、また絶対会おうよ。里奈ちゃんがいてくれたおかげでみんなすぐに馴染めたよ、ありがとう。三奈ちゃんは声が綺麗だったね、また聞かせてよ。みんなまた飲もうね。じゃあね。」合コンの神様はみんなに御礼を述べていた。明美ちゃんはさっき泣いていたのが、嘘のように幸せな表情をしてみんなに「バイバイっ」小さい声で、手を振ってか、渋谷駅と逆方向に歩きだした。すべては合コンの神様の計画通りに合コンが終わった。さすが、見事、あっぱれっだった。

俺はまだ上田に対してむかついていたから、
「上田、この後、少しマックでもいかねーか」
「おう、いいよ。どうした」どうしたじゃねーよと思ったが、女の娘たちがいるからぐっと堪えた。
「え、これからマック行くの、二人だけでずるい」里奈ちゃんがそう言うと、三奈ちゃんは
「でも、遅いし」そう言って、里奈ちゃんの手をとって、渋谷駅に向けて歩き出しそうとした時、
「修三、絶対ラインしてね。上田君もね」里奈ちゃんがそう言うと、
上田が、
「お、里奈ちゃん、修三のどこがいいの?」
「コンパクトでエコなところ」里奈ちゃんがそう言うと、
「えっ、こいつため息の廃棄ガスを毎日まき散らしているから全然エコじゃないよ」上田の少しだけむきになっている姿を見て、今日は俺が勝った、そう思った。里奈ちゃんが大袈裟に笑って、俺らは解散した。

「お前さ、なんであそこでキスして欲しいなんだよ。俺を馬鹿にしてんだろう」俺は初めて上田に対して、強気に出た。
「結果、おいしかったじゃねーかよ。そこまで怒るなよ」
「俺がどういう葛藤しているのか、お前、分かってんだろう。まじふざけんなよ」俺がそういうと、周りのお客さなが少しざわついた。
「帰えろーぜ」俺は自分から誘ったのに、入ったばかりで理不尽な
ことを言った。
「わかったよ」上田はキレた声でそう言ったが、俺に従って店を出た。
もし、この後上田と取っ組み合っても、負ける気がしなかった。

おしまい
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登場人物紹介

篠崎修三・・・20歳で初めて出来た彼女がクリスチャンだった。

佐藤英子・・・修三の彼女。3年前にクリスチャンになった。ちなみに修三とは保育園の時の同級生

上田基一・・・修三と同じ大学で同級生の友達。両親がクリスチャンで、小学校に入る前から教会に通い14歳の時に洗礼を受けてクリスチャンとなる。高校に入ったころから、高校3年生あたりから教会生活やクリスチャンに疑問を抱くようになり、大学に入学してから間もなく教会を離れる。現在は彼女、飲み会など遊ぶことが楽しく、教会を離れて良かったと思っている。

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