空、星、雲、キス、子供の目
文字数 935文字
私たちが肉にあったときには、律法による数々の罪の情欲が私たちのからだの中に働いていて、死のために実を結びました。 ローマ:7・5
鼻から息を吸って、大きく息を吐いた。先生に言いたいことを言って、自分が悪いのに、教会やクリスチャンのせいにして、最低だなと思いつつ、少し楽になった。空は青くて、雲は優しそうだった。
「修三君、先生と何を話したの」英子は少し小声でそう言った。
「うーん、なんかさ、自分は神様を信じているわけでもないし、クリスチャンでもないし、今のところなるつもりもない。そんな中で、英子と出会って、付き合って、それはすごく嬉しいんだけどさ、でも、周りの付き合っている人とかの方が自由っていうか、すごく楽しんでいる気がしたんだ」
「そうだよね、ごめんね」
「ふー」俺は息を吐いた。
「修三君、一度距離を置く?」
「えっ、別れるっていうこと?嫌だよ俺」
「私だって嫌だ。あっ、そうだ、先生は何って言っていたの?」
「とりあえず祈りましょうだって。具体的なことは言っていなかった」
「ふーん、わかった。私も祈ってみる」
「祈ってみるって何を祈るの?何か示されたら、俺たち別れるの?」
「修三君と私の関係もどうだけれど、修三君と神様の関係が祝福されて、修三君の葛藤や傷を癒してくださいって祈るの。私だって、修三君とこれからもお付き合いしたいよ」
「俺もそうだよ」別れるなんて、考えただけで、怖くなった。
その夕方、調布駅で理名ちゃんと待ち合わせをした。もうバイーンという音は鳴らなかった。唇はうっすら濡れていて輝いていた。目はキスした後に開けたばかりのように弱弱しかった。言葉なんてほとんどかわすことなく、手をつないで、いつも公園に行って、ベンチに座って、何も言わないで、ずっとキスをした。何度も何度も、キスをした。俺はキスは罪だと思わない。英子は今日言った、修三君と神様の関係が祝福されますよう祈るって。神様がキスを罪と定めるなら、俺と神様の関係はずっと祝福されることはないだろう。空、星、雲、キス、子供の目、そう、俺にとって、キスはその序列と一緒。神様ならわかるよね?そして、英子、今日もごめんなさい。
おしまい
鼻から息を吸って、大きく息を吐いた。先生に言いたいことを言って、自分が悪いのに、教会やクリスチャンのせいにして、最低だなと思いつつ、少し楽になった。空は青くて、雲は優しそうだった。
「修三君、先生と何を話したの」英子は少し小声でそう言った。
「うーん、なんかさ、自分は神様を信じているわけでもないし、クリスチャンでもないし、今のところなるつもりもない。そんな中で、英子と出会って、付き合って、それはすごく嬉しいんだけどさ、でも、周りの付き合っている人とかの方が自由っていうか、すごく楽しんでいる気がしたんだ」
「そうだよね、ごめんね」
「ふー」俺は息を吐いた。
「修三君、一度距離を置く?」
「えっ、別れるっていうこと?嫌だよ俺」
「私だって嫌だ。あっ、そうだ、先生は何って言っていたの?」
「とりあえず祈りましょうだって。具体的なことは言っていなかった」
「ふーん、わかった。私も祈ってみる」
「祈ってみるって何を祈るの?何か示されたら、俺たち別れるの?」
「修三君と私の関係もどうだけれど、修三君と神様の関係が祝福されて、修三君の葛藤や傷を癒してくださいって祈るの。私だって、修三君とこれからもお付き合いしたいよ」
「俺もそうだよ」別れるなんて、考えただけで、怖くなった。
その夕方、調布駅で理名ちゃんと待ち合わせをした。もうバイーンという音は鳴らなかった。唇はうっすら濡れていて輝いていた。目はキスした後に開けたばかりのように弱弱しかった。言葉なんてほとんどかわすことなく、手をつないで、いつも公園に行って、ベンチに座って、何も言わないで、ずっとキスをした。何度も何度も、キスをした。俺はキスは罪だと思わない。英子は今日言った、修三君と神様の関係が祝福されますよう祈るって。神様がキスを罪と定めるなら、俺と神様の関係はずっと祝福されることはないだろう。空、星、雲、キス、子供の目、そう、俺にとって、キスはその序列と一緒。神様ならわかるよね?そして、英子、今日もごめんなさい。
おしまい