抱き合う

文字数 470文字

「私、実はもういっぱいいっぱいだよ。祈りが叶って、修三君と付き合って、修三君は、なんだか最近あぶなっかしいし、祈りが叶えられたから、こういう状態になっているかもしれないと思うと、祈るのが怖いし」
英子は、僕にその話をしたかったんだ。
「あぶなっかしいのは、ごめん。でも、上田と遊んだりとか、女の子と会っているわけじゃないから、安心して。でも、英子と違って、性的な欲は我慢の限界かな」俺は思いっきり嘘を並べて、笑顔をつくった。
「じゃあ、キスする?」英子の目は、潤んでいて、すこしだけ怯えていた。
「ハグだけさせて」そういうと、僕らは抱き合った。英子だって、自分から僕に寄ってきて、僕も英子に近づいて。里奈ちゃんとキスをしなかったら、絶対キスをしていたと思う。小さいと思っていた、英子の胸が当たって、それは柔らかくて、興奮した。ありがとう、理名ちゃん。
「好き」英子はそう言って、僕の胸に顔をうずめた。僕らはほおずりをし合って、お互いももとの距離に戻った。

電柱には、カラスが2匹いて、空はカラスと対照的に、青くて、明るかった。

おしまい
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登場人物紹介

篠崎修三・・・20歳で初めて出来た彼女がクリスチャンだった。

佐藤英子・・・修三の彼女。3年前にクリスチャンになった。ちなみに修三とは保育園の時の同級生

上田基一・・・修三と同じ大学で同級生の友達。両親がクリスチャンで、小学校に入る前から教会に通い14歳の時に洗礼を受けてクリスチャンとなる。高校に入ったころから、高校3年生あたりから教会生活やクリスチャンに疑問を抱くようになり、大学に入学してから間もなく教会を離れる。現在は彼女、飲み会など遊ぶことが楽しく、教会を離れて良かったと思っている。

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