合コンの神様

文字数 1,593文字

身を慎み、目をさましていなさい。あなたがたの敵である悪魔が、ほえたける獅子のように、食い尽くすべきものを捜し求めながら、歩き回っています。(Ⅰペテロ:5・8)

俺ら3人は、合コンをする渋谷駅のハチ公前で、集合時間に18時の1時間前に集合することにした。
俺と上田は、京王線の府中駅で待ち合わせをして、一緒に行くことにした。
「修三、今日ありがとうな。マジ助かったよ。」
「まあ、お前に友情を感じたからな。必死で懇願している姿は情けなかった」俺はそういうと、
「今日はしょうがねー、俺に十分友情を感じてくれ。」上田がそういうと、俺は直美先生のことを思い出した。
「話は代わるけれど、この前教会に俺と英子が保育園の時の先生が
来たんだけど、超魅力的だったわ」
「興味ナッシング。超魅力的って、もうおばさんだろ」
「43歳だって」
「43歳って、乳も尻も垂れているババアだよ。お前頭おかしくなったんじゃないか」
「いやいや、写メみてからそういえよ」
「嫌だ。見ない。時間の無駄。これから若くて可愛い娘に会う前に
ババアなんて見たくねー」
そういう上田に俺は切り札を出した。
「お前が困っていたから、英子に対して罪悪感を感じながら来たんだから、見てくれたっていいんじゃないの」
「わかったよ、それ言わると今日の俺は弱いわ。わかった1秒だけみるよ」俺は写メを見せた。
「んっ、あれ、ぬっ。ぬぬぬ。あっ、いっ、うっ、えれー、おっぱいでけー!!まじエロい。ボンキュッボンじゃねーか。スタイルいいし、美人だな。なんかオーラがあるし。すげーまじ魅力的」上田は目を大きくして、大肥でそう言った。
「来週この人来るのか。来るなら俺行くよ」
「直美先生は、アメリカで牧師をしているからもう帰っちゃったよ」
「なんだよ。牧師でこんな人いるんだあ。ボンキュッボン」
上田はアホ面で、5回もボンキュッボン、綺麗という言葉を繰り返していた。そんな会話をしている時、17時に荒木先輩が現れた。
「ギリギリ間に合った。俺、荒木っていいます。今日はよろしくね、そして急遽来てくれてありがとう」荒木先輩は、想像して人と違って、謙虚でギラギラしたものがなく、爽やかなイケメンだったので、拍子抜けしてしまった。そして、身長は170㎝くらいで、合コンの神様は、至って普通の若者だった。
「篠崎と申します。今日はどうぞよろしくお願いします。俺、こういうの慣れていなんで、たぶん浮くと」
「気楽に、気楽にいけばいいよ」荒木先輩は、やさしくそう言ってくれた。
「俺、前から荒木先輩と合コンをしたかったんですよ。女にモテるテクニックを是非教えてください」上田はギラギラ表情でそう言った。
俺らは、コーヒー屋で作戦会議をした。
今日来るのは、この3人。上田はそう言って、写メを見せてくれた。
1人目は、同じ大学の2年生の三奈ちゃん。2人目は、三奈ちゃんの友達の短大2年生の明美ちゃん。2人とも、やせていて、美人だ。
3人の娘は、2人よりすこしぽっちゃりしている里奈ちゃん。明美ちゃんの同級生で他大学の2年生。荒木先輩以外が、同い年だった。
「俺、明美ちゃん、超タイプ。まじで仲良くなりたい。荒木先輩はどの娘がタイプっすか」上田がそういうと
「俺はどの娘もタイプだよ。タイプは違っても、どの娘もそれぞれ良いところ、魅力があると思うから。篠崎君は、」
「あ、出来ましたら僕のこと修三ってよんでいただけますか。あと、上田から聞いたと思っているんですけど、滅茶苦茶大事にしている彼女がいるので、正直どの娘がタイプとかないっす」そう言いながら、三奈ちゃんと明美ちゃんがキメ顔でいるのに対して、笑顔で写メに写っている里奈ちゃんが素敵だなと思った。
「そうか、そんなか、来てくれてありがとう。そしてごめんね」
荒木先輩はどこまでも優しかった。

おしまい
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登場人物紹介

篠崎修三・・・20歳で初めて出来た彼女がクリスチャンだった。

佐藤英子・・・修三の彼女。3年前にクリスチャンになった。ちなみに修三とは保育園の時の同級生

上田基一・・・修三と同じ大学で同級生の友達。両親がクリスチャンで、小学校に入る前から教会に通い14歳の時に洗礼を受けてクリスチャンとなる。高校に入ったころから、高校3年生あたりから教会生活やクリスチャンに疑問を抱くようになり、大学に入学してから間もなく教会を離れる。現在は彼女、飲み会など遊ぶことが楽しく、教会を離れて良かったと思っている。

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