第76話 英子が俺の前から消えた

文字数 404文字

クリスチャンは弱い。英子の死をもって知った、でも、俺も弱い。人間は弱い。
絶望感の中、手首を切ろうとしたけれど、切れなかった。

4月になって、歓迎会が行われた。新人は俺一人だった。課長が、
「社会人はいいぞ~」と言って、社長は笑っていた。英子の目が懐かしくなった。

宅建の資格勉強をしながら、接客をしていた。毎日が目まぐるしく回っていた。
6月になって、ハワイ旅行に行った。課長はいやらしい目をしながら、飛行機に乗っていた。到着すると、解放された気分になった。里奈ちゃんの水着姿を思い出した。

夕食はバイキングで腹いっぱいになった後、男だけで街へ繰り出した。社長は、じゃっと言ったまま、一人で違う道へ、俺ら7人の男は課長について行った。
「打つんだ」そう言って、課長は笑った。

知らない土地でたまたま会った現地の女性とセックスをした。気持ちよかったけれど、何とも言えない。英子が俺の前から消えた。

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登場人物紹介

篠崎修三・・・20歳で初めて出来た彼女がクリスチャンだった。

佐藤英子・・・修三の彼女。3年前にクリスチャンになった。ちなみに修三とは保育園の時の同級生

上田基一・・・修三と同じ大学で同級生の友達。両親がクリスチャンで、小学校に入る前から教会に通い14歳の時に洗礼を受けてクリスチャンとなる。高校に入ったころから、高校3年生あたりから教会生活やクリスチャンに疑問を抱くようになり、大学に入学してから間もなく教会を離れる。現在は彼女、飲み会など遊ぶことが楽しく、教会を離れて良かったと思っている。

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