第51話 オレンジの道

文字数 411文字

あるがままに受け入れれば、きっと先が見えてくる。
居なくなってしまった人は、時々思い出せばいい。
両手から零れる思い出を、
そっと、優しく包み込みながら空に解き放てばいい。
叶わない夢なんか捨てて、明日が尽きるまで、
今日を繰り返せばいいのだろう。

雪の華が降るころ、それは待っているのだろうか。
それとも振り返っているだろうか。
知らない事の憂鬱と、知らされない優しさ。

聞こえるかい、僕達の話し声が。
未来からでもなく、記憶の交差でもない。
注意深く耳を澄ませば聞こえなくなってしまう。
無意識の彼方から、昨日のように、
その世界からやってくる。

いろんな道があって、選んだことを信じた。
信じたいこともあった。
いつも正しいことを教えてくれる。
でも、違うことをしたくなる。
でも、どっちを選んでも同じ事になる。

今日の繰り返しが終わる頃、
堪えきれないほどの歓びが、何も無い世界を満たすまで、
歩き続けるのだろう。
信じたことより、信じたいことに声をかけて。
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