第2話 真っ平らな金曜日

文字数 279文字

久々のご馳走にありつけた木曜日を経て、
ゴロー太は満腹だ。
お腹の具合と同じように、心も満たされればいい。
見上げる空は真っ平ら。ゆれる心もなぜか、真っ平らだ。

ゴロー太は不思議でならない。
一生懸命、生きたのだから、これからも、きっとそうだ。
坂を転げる勢いで、登り切れる感覚。
今まで遠くにあったものが、身近に感じる、
急がなくていい、手を伸ばせば、いつでも届く。
だから、ここにいる。

ゴロー太は、止まっている。
満腹だから走れない。それもある。
動く気がしない。それもある。
でも、今夜はずっと、地べたに座っていたい。

真っ平らな気持ちが逃げないように、ゴロー太は止まっている。
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