第46話 君がいなくなった海

文字数 500文字

静かな鼓動を感じながら、今にも落ちてきそうな星を見てみたい。
呼ぶ声に応じながら、返す言葉を選んだ。
暖かい風を感じながら、そっと目を閉じて、過ぎていく時を想う。
爽やかな風を通して、ゆっくりと昨日のことを思い出そう。
優しい日差しを受けて、きっと今日も続くことに感謝する。
大きな雲にカタチを合わせ、このくらいと返事をした。
ずっと、ずっと続く、風の季節に迎えられ、
届きそうもない空に、両手を上げる。

幸せを感じるのは、きっとこんな時だよ。

どこまでも果てしない水平線の彼方には、
信じることのできないような出来事が待っている。
椅子をゆらし、透明の夢を見ていたよ。
夢から覚めたら、もう苦しかったことは終わってる。
まるで、本当に夢を見ていたように、
永い夢から覚めるんだ。
そして、いつものように君の声が聞こえる。

幸せを感じるのは、きっとこんな時なんだ。

小さなたき火の前で、そっと寄り添いながら、
遠くでもなく、近くでもない、そんな物語を聞いた。
微かな揺らめきの中で、未来が見えてくる。
大切にしたいもの、儚い滴の言葉さえ、確かに伝わる。
打ち寄せる波は、繰り返すことの意味を教えてくれた。

歩き始めるのは、きっとこんな時なんだ。
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