第111話 Swept, Worth, Cool

文字数 352文字

僕達は、何処へ行けば良いのだろう。

暗闇に包まれる時、世界は偏った中心へと収縮して行く。
そして、世界の中心は、小さな円を描き始めた。

閉ざされた世界は、光を拒み、全ての道を閉ざして行く。
そして、光は、行き場を失ったように、漂い始めた。

掴み損ねた世界は、過去を振り切るように、走り続けて行く。
そして、未来は、過去を忘れ始めた。

記憶が何度も蘇り、この手にした未来を落とし行く。
そして、思い出に満たされた部屋から、零れ始めた。

無音の世界は、永い時間を伴って、眼を閉じて行く。
そして、想像するだけの世界を、創り始めた。

忘却の世界は、誰も知らない。
そして、僕達は、独りになった。

果ての無い世界は、その果てに行き着こうとしている。
だから、想うことも、知ることもできなかった。

僕達は、それでも、考えることを、止めなかった。
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