第9話 終わりと始まりの金曜日

文字数 337文字

ゴロー太は振り返る。なぜ、そうするのか?
ゴロー太には、わからない。
夜の町を毎日歩いていても、暗闇ばかりが続いている。
時折見える人工の光。そんなものがなくたって、
ゴロー太は歩いて行ける。

今日出会った猫、今日別れた猫。
いつも、始まりは終わりに似ている。
ゴロー太の心は、いつも自分で輝かせる。
明日のことはわからない。
だから、ゴロー太は信じてはいない。

夢は、覚めて夢だとわかる。
ゴロー太は夢を見ない。
覚めてしまう夢なら、最初から見ないほうがいい。
だけど、ゴロー太は夢を見たい。
夢は、なにも応えない。
それでもゴロー太は、夢に憧れる。

騙されたとわかるまでが、夢の途中。
ゴロー太は、どこかへ向かう途中。
行き先はゴロー太にもわからない。

終わりが来るなら、また始まる。
ゴロー太は、歩き始める。
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