第52話 青い支柱

文字数 351文字

永い橋を支えるその支柱は、ずっと橋を支えてきた。
錆びることもなく、行き交う人達を見守りながら、
長い時を過ごした。
果てのないこの橋の、途中とも始まりともつかない場所で、
季節はゆっくりと流れるように感じた。
同じ風は吹かない。それと同じように、
出会った人達と、二度と会うことはなかった。
みんな忘れてしまう。
それが哀しいことのように思えた。

ゴロー太は、その青い影に佇んでいた。
青さに同化したような不思議を楽しんだ。
どこまでも高く、どんな風にも動じない。
ただ青く、ただそこにある。
時は待ってはくれないが、その青さはいつまでも待っていてくれる。
そんな気がしてならない。
忘れない。また出会うことがあったら、
違う色を見せてくれないか。

ずっとそこにいる。
それが何よりも素敵に思えた。

拒み続ける橋は、優しく誘うことがある。
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