第24話 真夜中を突っ走れ

文字数 389文字

ゴロー太は闇雲に走る。
どこかに、きっと、どこかにたどり着くに違いない。
果ての無い道なんてないんだ。終わりはあるんだ。
どんなに疲れてもいい。今は見えないけれど、出口があるんだ。
いつまでも、ここにいるのはいやだ。もうたくさんだ。

ゴロー太は歌いながら走る。
怖くて哀しくて仕方がない。だから、みんなで歌った、あの歌を歌う。
“想像してごらんよ。こんなに素晴らしい世界があるじゃないか”
“想像してごらんよ。わかりあえる仲間がいるじゃないか”
“ひとりぼっちじゃないさ。想像してごらんよ。みんなが君を想ってる”

何もない世界なんて無いって、想像するだけでいい。
素敵な世界を想像するだけで、
信じることも、明日を夢見ることも、望めばいい。

ゴロー太は、立ち止まる。
信じたい。この先にある明日を信じたい。
望まなければ、なにも始まらないと思う。
歌いながら、泣きながら、ゴロー太は走り始める。

今夜は暴走猫だ。
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