第39話 沈黙の丘

文字数 247文字

そこは、どこにでも在る。
自分がそう思えば、いつだって、そこに現れる。
想いを口にしない。それが、ここのルール。
試しにゴロー太は、大声で叫んでみる。
返ってこない。

ゴロー太は、思う。
何も言わないことは、きっと、最後の優しさなんだろう。
だから、続きは無い。
ゴロー太は、知る。
欲しいのは、夢を繋ぐ手。
夢を追い続ける足。

ゴロー太は、そこから飛び降りる。
信じない。終わることを信じない。
夢を繋ぐ手がなくても、
夢を追い続ける足がなくても、
走り続けることを止めない。
永い夢から覚めるまで、
ゴロー太は、走り続ける。
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