第36話 積み木の家

文字数 418文字

ゴロー太が、アジトにしていた家が、雪で倒壊。
暖かさを求め、森に入って行くと、広がる湖。
ゴロー太は、えらくこの場所が気に入る。
ここに家を建てる。そう決める。
材料の積み木は、いっぱいある。
ひとつ、またひとつ積み上げては、尻尾で倒してしまう。
それでもいい。

中が良く見えるように、窓を大きくしよう。
光が差しこむように、いっぱい窓を作ろう。
なんでも入るように、玄関は広くしよう。
ひとつ、またひとつ積み上げては、鼻先で倒してしまう。
ゴロー太は、笑う。
椅子をたくさん作ろう。
大きなテーブルを作ろう。
そして、屋根を付けたら完成だ。

湖畔のほとり、ゴロー太は、積み木の家を眺める。
ゴロー太と、同じ背丈の家。
積み木は、まだいっぱいある。
傷ついたものや、柔らかいもの。
大きさは、まちまちだけど、どれも、しっくりと馴染む。
家の中は、ゴロー太の思い出で、いっぱいだ。

そっと玄関を閉めると、ゴロー太は走り始める。
また戻ってくる。
もっといっぱい、積み木を集めてくるよ。
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