第1話 伝説の丘

文字数 337文字

伝説の丘でゴロー太は夕日と、にらめっこをしている。
この間、ゴロー太は何も考えない。
すぐ眩しくなって、目をそらしてしまう。
その数秒間が、ゴロー太は大好きだ。

何も考えない。
いいことも、嫌なことも、みんな忘れて、ボーとできる瞬間。
ゴロー太が一番安らげる瞬間。
これからのこと、明日のこと、なんにも考えない。

日が沈む瞬間が大好きだ。
さっきまで曇っていた空が、あかね色に染まる。
めったに見られる光景じゃない。
今日は特別だ。ふふ、なんだか嬉しいじゃないか。

そんなゴロー太を、フーミンは見ている。
夕日に照らされた、ゴロー太の毛の隙間から零れる光が、
フーミンのガチャ目を細める。
今日のゴロー太は、なんだか寂しげだ。

ゴロー太は大きなあくびをして、現世に戻ってくる。
さて、これからどこへいこうか。
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