第107話 たったひとつの答え

文字数 300文字

たったひとつのため息から始まったような気がする。
諦めてしまったら、そこから終わっていく。
だから、ずっと上を向いて隠してた。
何も探していない、その空に描かれた夢を手繰るように……
そんな振りはもうしなくていいんだ。

たったひとつの気持ちから始まった。
伝えたくても、どうしていいかわからない。
ただ、走り続ける先にあるのだと信じて、
目を閉じていた。
傷ついた数だけ近づける、それは星の数ほどあって。

たったひとつの星を探してた。
どれも同じように見えて、どれも遠く、どれも儚く、
だから、ずっと下を向いて諦めていた。
誰も名前を付けていない流れ星を見つけたら、
好きな名前を呼んで、追いかける。
もう失いたくないと思うから。
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