お泊り
文字数 525文字
親父がちっともメダカが増えないって、ぼやいていたけど、メスばっかだから増えるわけ無いな。生き返ったら教えてやろう。
通夜も遅くなると、両親と、隣の王女の家族だけになった。親戚連中は明日の葬儀に改めてくるのだろう。
あいつは時々僕のほうを向いては、ため息をつく。親父達は手持ち無沙汰なのか将棋を始めた。きっと、落ち着かないのだろう。二歩にも気付かず、王手飛車で飛車が逃げる。王を取っても続けてる。お袋と王女のおばさんは、台所で後片付けをしている。こちらも、働いていたほうが気が紛れるに違いない。
「おばさん、今日ここに泊まってっていい?」
王女が母に尋ねる。
「いいわよ。きっとこの子も喜ぶから。」
いやいや、喜ぶを通り越してドキドキして眠れなくなる。待てよ。あいつの写真とか、日記とか隠してあったよな。
王女は僕のいる居間の隣にある僕の部屋で寝ることになった。僕の布団は僕の死体が使っている。母が客用の布団を僕のベッドにかけた。居間とは簡単な間仕切りがあるだけだ。それを少しだけ開けて、僕を見ながら僕のベッドに入った。
今ならまだ、彼女に再度、憑依できるが、人としてどうよ。明日まではメダカで過ごそう。いつしか、僕も眠ってしまった。
通夜も遅くなると、両親と、隣の王女の家族だけになった。親戚連中は明日の葬儀に改めてくるのだろう。
あいつは時々僕のほうを向いては、ため息をつく。親父達は手持ち無沙汰なのか将棋を始めた。きっと、落ち着かないのだろう。二歩にも気付かず、王手飛車で飛車が逃げる。王を取っても続けてる。お袋と王女のおばさんは、台所で後片付けをしている。こちらも、働いていたほうが気が紛れるに違いない。
「おばさん、今日ここに泊まってっていい?」
王女が母に尋ねる。
「いいわよ。きっとこの子も喜ぶから。」
いやいや、喜ぶを通り越してドキドキして眠れなくなる。待てよ。あいつの写真とか、日記とか隠してあったよな。
王女は僕のいる居間の隣にある僕の部屋で寝ることになった。僕の布団は僕の死体が使っている。母が客用の布団を僕のベッドにかけた。居間とは簡単な間仕切りがあるだけだ。それを少しだけ開けて、僕を見ながら僕のベッドに入った。
今ならまだ、彼女に再度、憑依できるが、人としてどうよ。明日まではメダカで過ごそう。いつしか、僕も眠ってしまった。