きみのなわ
文字数 404文字
橋の中央で下を覗き込むように見ている女性が一人いた。
「オウメ!」
僕は、思いっきり叫んだ。しかし、風の音にかき消されて、息の切れた声では届かない。濡た橋の急な木の段を踏み外さないように注意しながら降りていく。階段がやたら長く感じる。以前はあれほど怖かったのに、今はまったく恐怖を感じない。
段が終わり、平らになった。
「オウメ!」
僕はもう一度叫んだ。彼女はゆっくりと振り向いた。
「幽霊?」
彼女は1秒ほど状況が理解できずにいた。そして、僕の姿を確認すると
「ギョク!」
といって、走ってきた。
「キャア。」
濡れた橋は滑りやすい。落下防止の網がかかってはいるが、古くなって破れているところも目立つ。滑った王女は補修用の板を突き破り橋の下に落ちた。
急いで駆け寄った僕がそこで見たのは、必死にロープにつかまる彼女の姿だった。僕は彼女の捕まっているロープを探した。
「どれだ、君の縄!」
「オウメ!」
僕は、思いっきり叫んだ。しかし、風の音にかき消されて、息の切れた声では届かない。濡た橋の急な木の段を踏み外さないように注意しながら降りていく。階段がやたら長く感じる。以前はあれほど怖かったのに、今はまったく恐怖を感じない。
段が終わり、平らになった。
「オウメ!」
僕はもう一度叫んだ。彼女はゆっくりと振り向いた。
「幽霊?」
彼女は1秒ほど状況が理解できずにいた。そして、僕の姿を確認すると
「ギョク!」
といって、走ってきた。
「キャア。」
濡れた橋は滑りやすい。落下防止の網がかかってはいるが、古くなって破れているところも目立つ。滑った王女は補修用の板を突き破り橋の下に落ちた。
急いで駆け寄った僕がそこで見たのは、必死にロープにつかまる彼女の姿だった。僕は彼女の捕まっているロープを探した。
「どれだ、君の縄!」