イッパイ・オッテナ

文字数 421文字

 大人たちって、大変なんだな。当分、僕は子供でいいや。

 真夜中になったころ、
「シャッターガラガラ。閉店ギリギリ。目玉グルグル。トイレでゲロゲロ。お腹ゴロゴロ。」
 息を切らせて、死神が戻ってきた。
「続き、始めますね。」
 え?いない間、止まってたの?道理で静かだったわけだ。

「フギャー、ブギャー。」
 やたら周りが騒がしい。地元の野良猫たちに見つかったようだ。
「何だっていうの?」
「猫語は翻訳ソフトの開発が遅れてまして。十二支に選ばれなかったから、非協力的なんですよ。ここは、昔取った杵柄、活弁させていただきます。」

「やいやい。見かけねえ面だな。ここは親分の縄張りだぞ。」
「地獄の使いできまして、用が済めば帰ります。」
「そうかい、お務め、ご苦労。困ったことがあったら尋ねてきな。子分も、うちはいっぱいおってな。」
「へい、オッパイ・アンテナ親分。」

 ん?猫なのにダジャレ?
「ちょっと、脚色させていただきました。」
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登場人物紹介

とりの ぎょくじ(玉子)

中学三年

王女の幼馴染で隣に住む

鉄道オタク

生物の雑学がある

いづみ おうめ(王女)

中学三年

玉子の幼馴染で隣に住む

ヘルパー死神

玉子の担当死神

おっちょこちょい

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