AI

文字数 557文字

 熊に襲われたらひとたまりもない。セーブポイントが欲しい。
「今回は特別事案のため保存はできません。終了すると即、データは廃棄されます。どこかに隠しているとかはありませんので、個人情報も保護されます。」
 どっかの役所みたいに、こっそりでいいから取っておいて。

「たぬき、熊を追いかけて。」
 必死の願いもむなしく、こいつは川で何かを洗っている。なんだかいやな予感しかしない。
「すいません。たぬきでなく、アライグマでした。」
 青いマーカーが中央で点滅している。
「おめでとうございます。肉体ゲットしました。ランキング1位です。名前をいれますか?」

 え?終わったの?これで人間に戻れる!アライグマ最高!アライグマで助かる。さっそく自分の肉体とご対面しようと、手元をじっくりと見る。
「なんか、小さくない?」
 それは、金属の細い枠に透き通ったガラスが入っていた。
「メガネ。」
 僕の体はどこ?

「体でない。すみません。どうやらAIの誤認識のようです。」
 バグにもほどがある。
「AKAONI/AOONI。通称AIシステム。彼らは追跡のプロです。日々、逃げ出す亡者どもを見つけて戻ります。ちなみに、SINIGAMI、略してSIシステムもありますが、こちらは逃げる生者を追いかけ魂を確実に刈り取ります。」
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登場人物紹介

とりの ぎょくじ(玉子)

中学三年

王女の幼馴染で隣に住む

鉄道オタク

生物の雑学がある

いづみ おうめ(王女)

中学三年

玉子の幼馴染で隣に住む

ヘルパー死神

玉子の担当死神

おっちょこちょい

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