家族写真

文字数 730文字

 カワウソは本体を追っている。活動範囲をこの川の周辺に制限されているのかもしれない。しかし、レベルからいってそろそろヤバイと思うんだが。
「死神モードじゃないので、お教えできません。そのドキドキ感がこのゲームの魅力なんですから。」
 僕にとってはゲームじゃ済まないっての。あれもこれもすべてこのふざけた名前のせいだ。

「ピー!」
 警告音だ。今度は何だ。
「長時間のゲームは健康によくありません。適度に休みを取ってください。」
 だから、ゲームじゃないって。
「ハーフタイム取りますか?ネットで鬼女による地獄ダンスバトルが見れますよ。赤チームと青チームの対抗戦ですから、盛り上がりますよ。」
 そんなんいらないから、真面目にやって。
「本物の鬼女ですよ。地獄の美女軍団ですよ。」
 地獄の価値観て信用できないし。

「GPSで家族の映像とか見れないの?」
 あいつら真面目に探しているんだろうか?ちょっと心配になってきた。
「一部お見せできない情報は隠しますが、よろしいですか?」
 仕方がない。
「こちらがお父様の画像になります。」
 部屋の中央が黒塗りされている。
「こっちが、お母様。」
 エステサロンのようだが、ほとんど黒塗りだ。
「おーい。真っ黒で何にもわからないぞ。」
 少々怒った口調で抗議した。
「個人情報保護のため、個人を特定できる部分は黒塗りにしています。」
 それって、風景以外見せられないってことじゃないの?

「ご同伴の方々のはこっちです。」
 小さな部屋に、モニタやマイクがある。これって、カラオケボックス?王女たち、カラオケしてんの?
「ドアの隙間の黒い線。ここに写っていらっしゃいます。カラオケボックスからの盗撮になります。」
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登場人物紹介

とりの ぎょくじ(玉子)

中学三年

王女の幼馴染で隣に住む

鉄道オタク

生物の雑学がある

いづみ おうめ(王女)

中学三年

玉子の幼馴染で隣に住む

ヘルパー死神

玉子の担当死神

おっちょこちょい

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