ヨメイもうないか?

文字数 667文字

「ミミズ1に憑依できます。」
 ミミズってオスメスないよね。また、おかしなことにならない?
「ミミズのように雌雄同体の動物を経由すると性転換できます。」
 森田の言ってた性転換てこのことか。が、もう、メスになるのはいやだ。他にいないか。
「フンコロガシ1憑依できます。」
 これもいやだなあ。
 突如、警告音が鳴った。
「もう逃げられませんね。」
 しかたない、ミミズにしよう。

 カエルは園児たちに捕まったようだ。こちらとしては、天敵が減った。しかし、安心はできない。モグラや蛇など、地中にも敵はいる。掘り進むミミズ。土を食べながら、お尻から出して、穴をふさぐ。これなら後ろから襲われることもない。実に、効率的だ。ミミズは葬儀場に戻ってきた。どれくらい時間が経ったかわからない。地上へ出る。まずい、ミミズではすぐに干からびてしまう。

「ナメクジ1~3に憑依できます。」
「ナメクジ1で。」

 葬儀場でナメクジは嫌な予感しかない。
「オウメ、事故だったんだ。」
 王女の家族が着いたんだ。僕の体は、このまま、ここに留まるのか、一旦家に帰るのか。まずはドライアイスで防腐処置をしているようだ。
 ここには、あまり憑依できるものがない上、隙が無い。家のほうがいい。
「人間1、憑依できます。」
 赤い数字とマーカーがオウメを指した。
「ナメクジも雌雄同体だから女性でも憑依できるんだ。」
 ぼくは、関心しながらも、なにかもやもやしたものを感じた。人間がレベル5万とか最初いってたよな。まだ、レベル1000。もしかして、余命が少ない?
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登場人物紹介

とりの ぎょくじ(玉子)

中学三年

王女の幼馴染で隣に住む

鉄道オタク

生物の雑学がある

いづみ おうめ(王女)

中学三年

玉子の幼馴染で隣に住む

ヘルパー死神

玉子の担当死神

おっちょこちょい

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